▽ ページ32
「えっと、右から順に紹介していくね。まずは……………………」
少し落ち込んだ様子で、善法寺先輩は横でいつの間にか正座している後輩たちに手をやる。隣に座る三年生の子が、少し期待するように善法寺先輩を見つめていた。しかし、先輩はその子と目を合わせたまま止まってしまう。沈黙が、続いた。
「三年は組の、三反田数馬です!」
耐えきれなくなったのか涙目になって言う。
「忘れないでください!」
「すまない、数馬」
原宿にいそうな髪色してるから、結構記憶に残るんだけどなぁ。いつも通りのことなのか、善法寺先輩は眉を申し訳なさそうに寄せるだけだ。数馬、数馬ね。覚えたよ、五反田数馬くん。
「気を取り直して、右から順に三反田数馬」
「よろしくお願いします!」
なるほど。
「二年い組の川西左近、一年ろ組の鶴町伏木蔵、一年は組の猪名寺乱太郎だ」
「「「ようこそ、保健委員会へ!」」」
気絶して運び込まれたにしては、みんなからの眩しすぎる笑顔で歓迎されました。下級生が多いんだ。可愛いなぁ。さっきから嫌なことばかりだったけど、一気に吹っ飛んだよ。
しかし、私が先程から気になることはただ一つ!
『あの、つかぬことをお聞きしますが…………不運大魔王って?』
「知らないの、Aちゃん?」
尾浜先輩が大きく首を傾げる。生憎ですが、知りません。こちとら鎖国してきたものですから。善法寺先輩はため息をつく。
「保健委員会は不運ばかりでね。普段の活動ではみんなの怪我を手当したり、薬を調合したりするんだけど」
「何故かいつも、不運な目に合ってしまうんです」
数馬も切なそうな顔をする。
「外に出たら雨に見舞われ、中にいても床で転び、毎日落とし穴には落ちて」
ここ数日のことを思い出すように天井を仰ぎながら左近も言う。
「凄いスリルなんですよ」
一人だけ楽しんでるんじゃないかな、顔色の悪い伏木蔵。
「それでも、保健委員会は不運に負けずに日々みんなの健康のために頑張っています!」
乱太郎が締め括る。勇ましい主人公の姿に感動です。心の中でおー、と拍手する。
「とてもいい委員会ですね!」
私が言うと、学級委員長委員会含めたみんながえっ? とこっちを見る。
『え?』
208人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「忍たま」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
砂糖水 - (_;´꒳`;):_同じくぅぅぅぅ (2023年3月21日 21時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さまでーす - 天女じゃない所は良き、ですがオリキャラとモブは無理だったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(((泣 (2023年3月4日 17時) (レス) @page12 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - 初心者Mさん» 自分では仲のいい忍術学園しか想像出来ず、こうなりました笑 鼻血が出てますよ□ヾ(・∀・`o)フキフキ読んでくださってありがとうございます! (2021年3月17日 21時) (レス) id: bb04bdd80d (このIDを非表示/違反報告)
初心者M - 天女ものではない所が、好きです。(鼻血) (2021年3月17日 21時) (レス) id: 8867205e66 (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - にゃんこさん» にゃんこさん、ありがとうごさいます!誰にも読んでもらえないと思っていたので凄く嬉しいです! (2021年3月17日 14時) (レス) id: bb04bdd80d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まみむー | 作成日時:2021年3月16日 12時