優秀なくのたま劣等生！其の一

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「今のを聞いて、いい委員会だと思うんですか？」

左近が皮肉めいたように言う。どうしてそう聞かれるのかが分からないが、私は頷いた。

『だって不運ということは、人一倍みんなの痛みや苦しみが分かるということでしょう？ この学園の保健委員会は凄いと思います』
　
流石、中学とかの委員会とは訳が違う。忍術学園の保健委員会だからこその特徴だよね。そのまま続けても良かったが、私は一度言葉を切った。保健委員会みんなの目からぶわっと涙が溢れたからだ。

「凄いなんて……」
「初めて言われましたねぇ。伊作先輩」
「うん、乱太郎。今まで頑張ってきた甲斐があったよ……」

　そんなに？ 泣くほど？ どれだけ辛かったのだろう。この委員会も候補に入れておこう。

「Aちゃん、ありがとう」

未だに泣きながら善法寺先輩は笑う。お面フィルターの影響で今頃気がついたが、この人もかなりの美男だ。どうなってるんだこの学園。

「君さえ良ければ、保健委員会に入ってほしいな。どうかな？」

　今までの先輩方がちょっと刺激強めだったからね。そうやって優しくお願いされると、ついつい………………

『分かりまし』
「時間です。行きましょう、A先輩」

　庄左エ門が割って入る。いつから時間制になったのかな。ただまあ、自分がホイホイ委員会に入ろうとするから、ブレーキをかけてもらえてありがたい。

『すみません、失礼します』
「また来てくださいね！」

　乱太郎の一声。医務室にまた来てくださいとは、保健委員会としてはいかがなものであろうか。でも可愛いから手を振っておく。



　医務室を出ると、庄左エ門は私をじっと見た。

「先輩、お願いされたからと言ってすぐに入ろうとしてはいけません。今のところ、全部の委員会が候補に入ってるんですよね？」

『まぁ、体育を除いて……』

年下に諭されるなんて変な気分だ。庄左エ門は本当にしっかりしている。

「じゃあ次は用具委員会にでも行くか」

尾浜先輩の言葉で、次は用具委員会になりました。





　
数馬「思ったよりしっかりした先輩ですね。もっと引っ込み思案だと思っていました」
伊作「そうだね数馬。あの子は保健委員会に凄く向いているから、やっぱり入って欲しいなぁ」
乱太郎「不運でも頑張れそうですね」


　

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