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「そういえば覚えがあるぞ……?旧世代では最高傑作と言われた、先代社長ご自慢の機体だったっけ?」
「先代社長……」

と、いうことは。もしかしたら雷門が関わった可能性も有るということでは……?胡散臭い探偵ヒューマギアだと思ってしまったのを心の中で詫び、ナゾートクをじっと見据える。隙を見てソレの脳内メモリをコピーすれば、雷門の手がかりが得られるかもしれない。アナログな名刺を配るナゾートクから名刺を受け取り、一度もそれに目を向けることなく胸ポケットに仕舞う。本当ならヒューマギアの名刺なんてその場で捨ててもいいくらいだが、今回は別だ。一応取っておいて後で解析することにしよう。

「あっ、いっけなーい!立ち入り捜査中でしたよねぇ?」

ナゾートクの言葉に福添らも「そうだった!」「社長、早くパスワードを!」と社長に一斉に詰め寄る。なんというか、なんだか。今無線機のような電波を感じたのだが。人間には感じ取れないだろうからわたしも反応はしないでおく。それに、ナゾートクの今の言葉、いやに演技じみているというか……。やはり何か裏を感じる。

「えーっと、それがですねぇ……。開かなくなっちゃったんですよぉ。ラボ」
「はぁ!?」

社長の言葉も何処か無理があるような……。

「あのぉ、ロック解除のパスワードに、俺の爆笑ギャグを登録したんですけど。傑作が一杯ありすぎて、どれかだ分かんなくなっちゃって……」
「いやそんなわけあるか!弊社の潔白を証明したくないんですか!?開けてください!!」

福添のツッコミに大きく頷きたいところだが。隙を見つけるにはこのまま泳がせておく方が得策か……?考えあぐねている間にも、社長は無理な芝居を続ける。

「思い出したら連絡しますんでぇ〜!じゃあ俺、急な仕事を思い出したんで行きます!」

振り返ると同時に、彼はゴテゴテとした機械を腰に取り付け始める。そしてカードをそれに翳すと、目の前にホログラムのような体の大きなバッタが現れ、わたし達一同は思わず後退った。

「な、なんだそれは!?」

捜査官の声を無視し、社長は「変身!」と声を上げる。すると瞬く間に彼は変型したバッタのホログラムに包まれその姿を変えた。まるで遊園地のショーに出てくるヒーローのような姿だ。

「俺の仕事着です!じゃ、失礼しまーっす!」

柵から飛び降りそそくさと社長室から去る飛電社長。わざとらしく彼が去った後を指差したナゾートクは「おやおや」と声をあげる。

・→←陰謀【福添准】



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Shirome - あなたの書いた福添さんが見たいです! (2022年8月2日 4時) (レス) @page36 id: 57feb98294 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サインバルタ | 作成日時:2019年11月10日 5時

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