姉妹の事情【お相手：リヴァイ】前編 (ページ45)

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第44話ページ45

ペトラは住所の書かれた紙を胸ポケットにしまう。

「まぁいいわ。…確かに今回の壁外調査はいつもと違いそうだし」

実はAは、ハンジの直属の部下という事もあって今回の作戦の意図を聞いている。
しかし他言無用なのでただ頷いた。

「でも、私はなにがあっても兵長を信じて進むわ。あの人の班に選ばれた時に決めたの。私の全てを捧げるって」
「…ペトラ」
「全く。アンタがそんななら諦めるんじゃなかったって思うけど。それでもアンタの事が好きなんだろうね」
そう言ってペトラは苦笑いした。

「…私ね。実をいうとAの事が苦手だったんだ。私がなりたい姿をしてたから。だから私を慕ってくれてたAの事を鬱陶しがってた。でも、それってただの嫉妬でさ。…ごめんね。本当はもっと普通の姉妹みたいに、好きな人の話とか将来の話とかしたかったの。今からでも遅くない…かな」

そう言って俯いたペトラに、Aは何度も頷いた。

しかし、リヴァイとの事は言えなかった。
きっとペトラは今も…。
だから、リヴァイとの事を話すのはまだ先にしようと決めた。
自分に先があるのなら。

そして翌日、壁外調査に向かう調査兵団を見送ることも出来ずに、Aは病院に向かった。