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第43話 ページ44

エレンを連れての壁外調査を翌日に控えた日。

リヴァイ班が久しぶりに詰め所に帰ってきた。
最終的な装備の確認らしくとんぼ返りだとハンジに聞いた。
Aはソワソワしていた。

姉であるペトラが大好きなAとしては、壁外調査前に姉の顔を見ておきたい。
そう思いながら1人きりの執務室で仕事をしているとドアがノックされた。

入ってきたのはペトラで、Aは満面の笑みで駆け寄った。

「もうっ、抱き着かないでよっ」
そうは言うものの、壁外調査前に家族の顔を見たいと思ったのはペトラも同じだったようで、声色は優しい。
「ごめん。ゆっくりは出来ないんだ。これを出しに来ただけなの」
そう言って書類を渡された。
「本当は兵長に来てほしかった?」
書類を受け取ったAにペトラが尋ねる。

リヴァイとはあの夜から会っていないが、それはペトラと比べる事ではない。
ペトラはペトラだし、リヴァイはリヴァイだ。
Aは首を横に振った。
「ううん。ペトラに会いたかったもん」
そんなAにペトラは少し笑った。

「アンタ、変わったよね。兵士になって」
「そう?」
「うん。昔は私の後ろ付け回して、ペトラ〜ペトラ〜って。でも今はなんか違う」
「任される仕事も増えてきたからかな〜」
フン、と鼻息荒く答えたAだったが、陰りのある顔をした。

あまり見ないAの表情に、ペトラは眉間に皺を寄せる。
「どうしたの?何かあった?」
「え。分かる?」
「そりゃ分かるわよ。今、凄く表情が険しかったし」
ペトラの言葉にAは笑いかけながら1つのメモを差し出した。

そこには何かの住所が書かれている。
「なに?どこの住所?」
「病院。私、今回の壁外調査に行けないの。そこに入院するから」
「そんなに体調が悪いの!?」
驚いたペトラに頷く。

「ちょっと良くないの。ハンジさんに相談したら、今回はエレンの件もあって特殊な調査になるだろうから、万全じゃないなら病院にいてほしいって言われて」
「兵長は?知ってるの?」
「言ってない。壁外調査に集中してほしいから言わないつもり。だから言わないで」
「…呆れた」

「アンタねぇ、兵長を信じてないの?兵長ならアンタの病気の事なんてハナにもかけないと思うよ?」
ペトラはAとリヴァイの関係をまだ知らないから、Aが病気の事に気を遣ってリヴァイに気持ちを伝えられずにいるのだと思っているようだ。

形は違えど、今回の決断はその通りなのだが。

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設定タグ:リヴァイ , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:ララ | 作成日時:2020年12月26日 2時

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