姉妹の事情【お相手：リヴァイ】前編 (ページ40)

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第39話ページ40

恋人関係となったAとリヴァイ。
しかしペトラに話をするどころか、事態は急変した。

巨人になれる少年・エレンが現れて、その少年はリヴァイの班で見ることになったからだ。

そしてそこからは彼の巨人化実験に関する事で大忙しで、Aとリヴァイは会う事もあまりできなくなった。

Aはハンジの部下ではあるがまだ兵団内では新人で、エレンの事は兵団内でもデリケートな話題なのもあって、Aがその実験に立ち会える事などない。
ハンジとモブリットに聞いた、エレンの実験内容や経過報告書をまとめたり等の書類関係を任されている。
だから状況はかなり掴めてはいた。

その様子だと、リヴァイはかなり忙しそうだ。
ペトラとすら連絡が取れていない位だから、リヴァイ班とエレン、そしてハンジは実験場所に缶詰めなのだろう。
リヴァイはたまに兵舎に顔を出すこともあるが、団長室で報告やら何やらを済ませると大急ぎで戻っている。
Aとしては寂しいものではあったが、リヴァイはそんな事考える暇もなさそうだ。

しかしAも決して暇ではない。
こうして毎日夕方になるとモブリットに今日の実験内容を聞いているからだ。
モブリットが口頭で告げる内容を、一旦紙にザッと書き留めて、後で清書するのが目下の仕事だ。
図解を書くのが上手なAは、モブリットが伝える物とほぼ同じ物が書けている様だ。

一通り話を聞くと、お互い息を吐いて顔を見合わせた。

「…今日のは多かったかな」
「そうですね。ちょっと多かったです」

いつもより報告の内容が多くて時間がかかってしまった。
「ではまたこれを清書しておきます」
「ああ。ありがとう」
そう言って伸びをしたモブリットは、いつもなら慌てて実験場に戻るのに今日は余裕がありそうだ。
だから少し聞いてみた。

「あの…皆さんはどんな様子なんですか？報告書の為に実験内容の話を聞いていますが。その…リヴァイ班とか」
リヴァイとAが恋人関係であることを勿論知らないモブリットは、「ああ、ペトラか」と勝手に解釈したらしい。
顎に手を当ててなにか思い出している。
「そうだなぁ…みんな疲れた様子ではあるが…。そうだ」
モブリットは少し笑う。
「お前、ペトラ・ラルの妹だろう。何か聞いていないか？」
「？？」
「リヴァイ兵長と何かあったのか？彼女は」
その言葉にAは固まりそうになった。