第3話 ページ3
リヴァイに聞いた通り、Aはハンジといた。
Aと他数人の新兵が熱心に語るハンジに圧倒されている。
新兵入隊式の後、兵士は全員非番になるのでハンジの話が終わるのを待った。
程なくして解放された新兵たち。
その中のAはペトラを見つけるとニコニコして近づいてきた。
「ペトラ〜〜!探したのよ!壇上から探しても分からないし!」
そういって抱き着いてくる。
「ちょ、A…あんたねぇ!」
ペトラはAの両肩をつかんで引き離す。
「なにしてんのよあんた!」
「??何って、調査兵団に「そうじゃなくって!」
慌てた様子のペトラはAの全身を見た。
どうみても調査兵団の制服を着ている。
「なに?志願兵になったことすら聞いてないんだけど」
「そりゃあね。ペトラには言ってないから。期が違うと会うこともないのね。ペトラが志願兵になった翌年に入ったの。ペトラってば実家に全然帰ってこないから知らなかったんでしょ」
明るく笑うAにペトラは怒りが収まらないらしい。
ただでさえも巨人侵攻があってから、次はいつ来るのかとピリピリしているというのに、この妹はよりによって兵士に志願してきたのだ。
「そうそう、お父さんに聞いたよ?ペトラってばあのリヴァイ班になったんだってね!お陰で同期の注目の的だったんだからね。凄いのね」
ムフフといやらしい笑い方をしたAに、ペトラは呆れたように笑った。
「何言ってんのよ。私なんか卒業するとき10位以内じゃなかったんだから。アンタの方が凄いんじゃないの?」
「私は立体起動とか実技の点数はそうでもなかったの。だから私がここにいても、リヴァイ班には入れてないって。…で?どうなの?」
耳打ちするように言うAに、ペトラは眉間にしわを寄せた。
「どうって何が?」
「兵長よ、兵長!ペトラ、紅一点でしょ?そういうのないの?」
「そ、そういうのってなによ」
「だから、兵長とそういう感じの話とか」
「バカ!」
ペトラは思い切り頭をはたく。
「何言ってんのよアンタは!そりゃ人として尊敬はしてるけど、別にそういうことでどうこうって人じゃないの!」
「えーつまんないの。ペトラのラブロマンスが聞けると思ったのに」
楽しそうに無邪気に笑うAに、ペトラは肩を落とした。
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作者名:ララ | 作成日時:2020年12月26日 2時