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パタンと扉を閉め、廊下にでる。
さっきの部屋は収穫なしと言ったものだった。
あの部屋はリビングなのかソファーとテレビ、キッチンも一緒にあった。
ちなみに、さっきの音はお皿が割れた音だった。
お皿は積み重ねてあってだいぶ多かったからなにかの衝撃で落ちたか、バランスを崩したかだ。
とにかく、あの部屋は特に異常はなかった。
廊下を歩きながら手当たり次第にドアノブに触れ、左右にガチャガチャとするが鍵がかかっているのか開かなかった。
だめでしたね。
ちょうど、そらるさんは床に目を向けていた。
そっとなにか__僕のメモを手に取り、訝しげな目をしていた。
コトン、となにかが落ちる音__僕が思わず後退りをしてぶつかった拍子に落としたボールペンにそらるさんはバッと顔を上げてこちらを見た。
「まふまふ……っ!」
あ、待ってごめんなさい。
引きこもりとは思えない速さで走ってくるから思わず心の中で謝罪する。
「よかったぁ……心配した……」
ぎゅっと僕を抱きしめて心からの安堵の声を漏らす。
「ご、ごめんなさい……」
「ん、いいの。まふまふが無事ならね」
ニコッと穏やかで綺麗な笑顔を浮かべて僕の頭をゆっくりと撫でる。
「そういえば、他の部屋はなにかあった?」
「いえ、なにもなかったです。ほとんどの部屋は鍵がかかってましたし、リビングも異変はなかったです」
「そっか……」
それだけ言うと、考え込む。
「そらるさんは、なにかありました?」
「いや、なんも」
「あ、じゃあ、戻りましょう?皆さんで回りたいですし」
落ち込んでいるようなそらるさんに声をかけて外に出るように促す。
久しぶりに見た空はいつもより明るく感じた。
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凪桜(プロフ) - レンスイさん» 感想見させて頂きました!他の方からの目線で見るとまだまだ足りないのが多いと感じます……訂正を加えたりこれから書く話にもレンスイさんの書いていたことを取り入れたいと思います!文章が綺麗というのは情景などに気をつけていたので嬉しいです! (2019年2月13日 17時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
レンスイ(プロフ) - とても面白かったです!! すごく好みの設定で、文章もどれもが綺麗でした!! 私の作品の方で、こちらの物語の感想をお書きしました!よろしければ見て頂けると嬉しいです!!! (2019年2月13日 15時) (レス) id: 85db579f44 (このIDを非表示/違反報告)
咲姫(プロフ) - りすさん» コメントありがとうございます!情景には気を付けていたのでそう言って頂けてとても嬉しいです! (2019年1月26日 9時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
りす(プロフ) - 情景の表しかたが御綺麗でとても好きです。続きが楽しみです。 (2019年1月26日 9時) (レス) id: 89241487ec (このIDを非表示/違反報告)
凪沙(プロフ) - Liteさん» コメントありがとうございます!ほんとですか?!すごい嬉しいです〜 (2018年12月25日 17時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凪沙 x他1人 | 作成日時:2018年10月14日 13時