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低くて地響きを起こすような鳴き声。
びくっと体が揺れる。
そっと顔を上げると目を疑うものを見た。
山吹色に輝くツノ、見るもの全てを殺めてしまいそうなほどにぎらぎらと燃えさかる赤い瞳、黒いごつごつとした体に浮かび上がる正反対の真っ白な模様。
裾がバラバラになっているスカーフのようなもの、紫や赤紫の威圧感のある金棒。

__黒鬼だ

辺りを射るような眼差しで見渡し僕のところで目を止める。
その燃える赤い目に見据えられる。
恐怖で動けない。蛇に睨まれた蛙のようだ。

逃げなきゃいけないって言うのは分かっているけれど体が動かない。

僕は、無力だ。
いっつも守るとか言って誰かがいないとなにも出来ない。戦うことも、逃げることも出来ない。

ねぇ、僕はどうすればいいの__?

突如、バシュッとなにかが僕の横を通った。
そのすぐ後に苦しそうに声を上げる鬼が目に入った。

「っえ……?」

「なぁ、大丈夫?」

低くて落ち着いた、聞き慣れた声。

「__そらる、さん」

「あれ? 俺、会ったことあったっけ?……まぁいいや。今あいつ怯んでるから逃げよ。こっちついてきて」

ぐいっと腕を引き、そらるさんは走り出した。
僕は慌ててついて行く。

赤い四角い機械、自動販売機の影に身を隠す。
そらるさんの方を見ると険しい表情をしていた。
そらるさんはふわふわの黒髪に青い目、片手にはランチャーのようなものを持っていてオレンジ色のパーカーに青いズボンを見にまとっている。

「あ、の……助けてくれてありがとうございます」

「え? あぁ、いいよ、全然。怪我はない?」

「はい、大丈夫です」

「良かった。あいつ……黒鬼ね?見回り鬼に見張らせてるから、あんな道の真ん中にいたらすぐに捕まるよ。俺と一緒に行動しよう」

「分かりました……!」

「えっと、俺はそらる」

「僕は、まふまふです……」

「オッケ。んじゃ、まふまふは、俺についてきて。何かあったらこの武器使って」

そらるさんに渡されたのはどこかファンタジー要素のあるライフルのようなもの。
紫や水色などの色を使っている。

「これは……?」

「あぁ、対鬼用の武器だよ」

「へぇ……」

そらるさんに再び出逢えたことで僕のテンションは上がった。

それが仇となったのかもしれないな。

・→←1章-妖怪の世界-



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凪桜(プロフ) - レンスイさん» 感想見させて頂きました!他の方からの目線で見るとまだまだ足りないのが多いと感じます……訂正を加えたりこれから書く話にもレンスイさんの書いていたことを取り入れたいと思います!文章が綺麗というのは情景などに気をつけていたので嬉しいです! (2019年2月13日 17時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
レンスイ(プロフ) - とても面白かったです!! すごく好みの設定で、文章もどれもが綺麗でした!! 私の作品の方で、こちらの物語の感想をお書きしました!よろしければ見て頂けると嬉しいです!!! (2019年2月13日 15時) (レス) id: 85db579f44 (このIDを非表示/違反報告)
咲姫(プロフ) - りすさん» コメントありがとうございます!情景には気を付けていたのでそう言って頂けてとても嬉しいです! (2019年1月26日 9時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
りす(プロフ) - 情景の表しかたが御綺麗でとても好きです。続きが楽しみです。 (2019年1月26日 9時) (レス) id: 89241487ec (このIDを非表示/違反報告)
凪沙(プロフ) - Liteさん» コメントありがとうございます!ほんとですか?!すごい嬉しいです〜 (2018年12月25日 17時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凪沙 x他1人 | 作成日時:2018年10月14日 13時

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