第十訓 ページ13
銀時サイド
夏…
綺麗に咲き揃っていた桜は散り、緑色の葉が木を覆っていた
昼間は動く気力がわかないほどに暑く、夜は風が冷たくて肌寒い、気温の変化に耐え切れず風邪をひきやすい時期…
そんな季節に、異常に元気になる奴が一人…
『銀兄!今日はお祭りだよ!』
銀「何回も聞いた」
『小太兄〜!』
銀「…聞いてねェ…」
三度の飯より兄貴好きのAは、夏になると兄貴である高杉を放置して夜まではしゃぎ回る
そのせいか、高杉はというと…
高「……」ズゥゥゥン
教室の端っこで膝を抱えて、あたりに暗いオーラを放ちまくっていた
……いい加減ウザくなってきたな
銀「高杉!テメェも祭り好きならAとはしゃいでればいいだろ!ウゼェ!」
高「……銀時…テメェに何がわかる?」
銀「あ?知らねェよ」
俺がそう言うと高杉はゆらりと立ち上がって、俺の両肩をがっしりと掴んだ
あの…ちょっと?爪が地味に食い込んで痛いんだけど?
高「俺の優先順位はいつも…1にA2にA!3,4Aで5に(Aを除いた)好きな事なんだよ!
なのにA奴…俺を放置して祭りの事ばっかり考えて…俺が近づくと逃げるようにどっか行きやがる…
俺が何をしたってんだァァァァ!!」
高杉はそう叫びながら、俺をガックンガックン前後に揺らして来て、こいつのあまりにもひどいシスコンのキモさで二重に物凄く気持ち悪い
すると…そんな俺の視界の端に、俺たちをふすまから顔を覗かせているヅラとAの姿が映った
ヅラは高杉を変なものでも見るような冷めた目で見ていて、Aは俺たちを心配しているような目で見ていた
その時、Aが未だに俺を揺らしている高杉に背中から抱きつき、それに驚いた高杉はびくりと体を揺らしてから俺を離してAに振り返った
『兄様…ごめんね。兄様がそんな風に思ってたなんて…』
高「A…今の話聞いてたのか?」
『兄様…誤解なの』
高「……誤解?」
『A…兄様に銀兄や小太兄に先生と…みんなでお祭りに行けるのが嬉しくて…』
高「なら…俺から逃げてたのは?」
『A、暑いくて汗かいちゃって…兄様に迷惑だと思って…ごめんなさい』
真実を知った高杉は、感極まったのかぎゅうっとAを抱きしめる
高「いいんだ!俺の勘違いで…汗なんて気にするな!むしろ良い!」
銀桂「「おいッ!!」」
俺とヅラは、危ない事を口走った高杉の頭をすっぱたいておいた
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季奈乃 - この作品すごく面白いですね! 更新も頑張ってください! 応援してます!!!!! (2017年9月23日 13時) (レス) id: 937f71cb5a (このIDを非表示/違反報告)
香菜 - とても面白いです!これからも更新を頑張ってください!ほかの作品も作ってください! (2015年11月2日 17時) (レス) id: 39880b9d7b (このIDを非表示/違反報告)
信女(プロフ) - 面白いです!私も人に教えられるようなネタ持ってなくて…、初コメ失礼しました!更新頑張ってください! (2015年9月9日 6時) (レス) id: 58e33b6721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十六夜☆ | 作者ホームページ:http://maru1215
作成日時:2015年8月24日 19時