標的２０７…不穏な夢。父帰還の報せ（２） ページ18
続き
『っ…お、お母さん…何か、あった？』
奈「そーいえば、アユちゃんにはまだいってなかったわね
奈々は心底嬉しそうに微笑みながら、歩美に爆弾を落としてくる…
奈「2年ぶりに、“お父さん”帰ってくるって」
『Σっ！？』
奈々から突如知らされたことに、歩美は必要以上に驚き、声を出せずに固まった
歩美が驚く時に声を出さない…なんてことは特に驚くべきことでないビアンキとフゥ太だが、その表情には焦りや不安の表情が見て取れて、疑問に首をかしげた
ビ「私はママンがパパンの話をまったくしないから、話すのはタブーだと思ってたわ…」
フゥ「僕、死んじゃってるのかと思ってたよ」
『ぁ……っ、と…私は、お父さんは…星になったって、聞かされて…』
奈「ああ、あれ？あれはお父さんが出発前に…」
【奈々、おまえ、ロマンのある男が好きだったよなぁ。アユには、オレが消えて、星になったとでも伝えておいてくれ。そのほうがロマンチックだ】
奈「…って」
『……はぁ』
生きているというのは普通にわかっていたことだったが、そんな理由だったとは…と、歩美はどうしても呆れてしまって肩を落とした
ビ「面白いパパンね」
フゥ「で、いつ帰ってくるの？」
奈「もうすぐよ！絵ハガキが来たの！お父さんは出稼ぎで、外国で石油を掘ってる泥の男なのよ」
フゥ「泥…」
『(あれ？確か交通整理って…交通整理しながら石油…？)』
己の父のおかしな矛盾する誤魔化し文句に、脳内が疑問符だらけになりながらも絵ハガキを受け取れば…歩美は呆れを通り越して頭痛を錯覚し始めた
絵ハガキには、ペンギンが住む氷の大地が写っていて、言葉は一言…
もうすぐ帰る。父
『(ここ…石油なんて出ない…はず。そもそも交通整理をする相手もいない…はず)』
結局その日は奈々が作った豪華な料理を食べ、いつもと変わらずに就寝した
仮眠時に見た不穏な夢は、もうすっかり記憶から抜け落ちていた
そして残った不安感は、父帰還の報せにより生まれた更なる不安や焦りに混ざって溶けて…わからなくなっていた
『(……まだ、私は…)』
お父さんに、合わせる顔なんて、ないのに…
闇の足音は、少しずつ、確実に…近づいている
標的２０８…平穏な日常。きたる嵐の予感（１）→←標的２０６…不穏な夢。父帰還の報せ（１）
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十六夜☆(プロフ) - Ray@二次元LOVEさん» 指摘コメントありがとうございます！でも問題は無いので大丈夫です！ (2019年9月1日 23時) (
レス) id: f83bc8c19a (このIDを非表示/違反報告)
Ray@二次元LOVE(プロフ) - 標的222にて恐らくですが、夢主の名前と家光の名前が光景になっています (2019年8月27日 1時) (レス) id: 0d5710c941 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十六夜☆ | 作者ホームページ：http://maru1215
作成日時：2019年6月23日 23時
