歌い手系カフェ店員と声優さん 2nd

50杯(花江side) ページ5

和楽器のイントロが流れる

吉原ラメントだ

アイリスの吉原ラメントはダントツでエ□い



喘ぐところなんてもうほんとにヤバイ

クルものがある

さっきまで後ろを向いてたのにイントロが流れると
ゆっくりと前を向き歌い出す


『江戸の街は〜♪』

吐息の含め方

『まことは、ただ一人のどなたかの為だけに
咲いていたかったのだけれど、
運命はわっちの自由を奪い、そいで歯車を回していくのでありんす』

悲しい

本当はこんなことしたくないけど自分の生まれがそれを許してくれず、運命にただただ従って生きるしかない、抗えない、悲しい花魁が目に浮んだ

アイリスは声だけじゃなく表情も歌詞に合わせているから、心なしか泣きそうだ

歌は続き、問題の箇所がきた



『恋人ごっこの夜に吐息

「あっアッ」

と鳴かせて悲しいくらいに感じた、

振りの吉原 今日も雨』

喘ぐ部分で惚けた顔をするアイリス
思わずゴクリと喉がなりそうになる

次のフレーズから全く違う表情になる


やっぱり彼女は惹きつけるのがうまい

次はどんな表情か、歌い方か、全てが気になってついつい目を離すことができなくなる

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