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たった一瞬の出来事だった。
斬り合い、沖田の刀が南雲の肩を貫いた。
力の入らなくなった右手は持っていた刀を落とす。
南雲「…お前ならこう来ると思ってたよ…ッ」
沖田「!」
銃声が響き渡った。
沖田を探しに来ていた土方、千鶴そしてAの耳にもはっきりと聞こえた。
沖田「こん、な弾くらい……うっ…!」
もう一振りの刀を抜くが、傷みで立ち上がれず、その場にしゃがみこんだ。
治るはずの傷は一向に治らない。
南雲はまんまと罠に嵌まった沖田を見、とどめをさそうとしたその時。
遠くから千鶴と土方の声がした。
南雲「…チッ!」
南雲は舌打ちし、千鶴と土方に見つかる前に姿を消した。
駆け寄ってくる二人の姿をみて安心したのか、沖田はその場に倒れこんだ。
南雲「…仕留めきれなかったか。」
「誰を?」
南雲「っ!」
どこかの屋根から沖田が運ばれていく様子見ていた南雲は背後からの気配に気づけなかった。
一切気配なんてなかった。
振り向き、距離を取ってから相手の顔を確認すれば見覚えのある顔だった。
『お久しぶり、薫サマ。』
南雲「夏目…っ!なんでここに!」
『挨拶、かな。…お陰でさらに千鶴様を守らなくてはいけなくなったもので。』
南雲「お前たちは雪村に従っていればいいものも…!」
何故反抗する、と言おうとしたとき、喉元に刀が添えられていた。
Aの瞳は羅刹の沖田のように獲物を逃がさぬようこちらを捉えている。
南雲「く…っ!」
『道を誤ったあなた方に従うつもりは元よりなくってね。………今回はまだこちらも手筈を整えてないから見逃すけど、次は必ず消すから。』
口角をあげ、優しげな微笑みを浮かべるが、目は一切笑ってない。
南雲は諦めてその場から姿を消した。
南雲の気配がなくなったのを確認すると、刀を鞘へ収めた。
『……事態は予想以上に進んでる。何とかしなきゃ…。』
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華 - 久方ぶりに読ませて頂き増した。作品は完成してないのですね。残念(T ^ T) (2017年10月14日 17時) (レス) id: 77ddec91a0 (このIDを非表示/違反報告)
華 - 久方ぶりに読ませて頂き増した。作品は完成してないのですね。残念(T ^ T) (2017年10月14日 17時) (レス) id: 77ddec91a0 (このIDを非表示/違反報告)
総ちゃん - 続きが気になります。更新楽しみに待ってます(゜∇^d)!!(゜∇^d)!! (2016年3月10日 9時) (レス) id: 725f51c669 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - わ〜い。楽しみです。 (2015年10月20日 7時) (レス) id: 43288af261 (このIDを非表示/違反報告)
まーる(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» ありがとうございます!此処からは斎藤くん活躍ですよ〜〜 (2015年10月19日 22時) (レス) id: 7286babe75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まーる | 作者ホームページ:http://marl102917
作成日時:2015年10月2日 17時