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分かる、分かるよ…マークは本当にカッコいいから。
つい目で追ってしまうのは仕方ない。


分かってる、はずなのに……


「お、メイドさんはっけ〜ん」
「こんなところで会えるとか、マジラッキーじゃね?」


ふと聞こえた声に顔を上げれば、知らない男子達が目の前に立っていた。
他校の制服を着ているから雷門の生徒ではないのは明白だ。

「あれ?この子、三年のメイド喫茶の子じゃないか?」
「うわ、マジ!?さっき接客してもらってからいいな〜って思ってたんだよ!ねえ、俺の事覚えてる?」

ずいっと顔を寄せられて、反射的に顔を引いてしまう。


覚えてる訳がない…ただのお客さんのうちの一人だ。


「すみません、ちょっと記憶にないので…」
「とか言って、照れてるだけでしょ?それより俺達と一緒に回ろうよ」


私の腕を強引に引っ張り上げて立たせてくる。
相手の事なんて何も考えていない、力任せの行動。

「っ、やめてください!」

よろけながらもバッと手を振り払う。
その事が気に入らなかったのか、あからさまに不機嫌な様子で私を壁に押し付けてきた。

「優しくしてりゃいい気になになりやがって…!」
「おっおい、さすがにそこまでしなくても…」

もう一人が止めようとするけれど、当の本人は聞く耳を持たない。
寧ろヒートアップしてるくらいだ。


「この女、ちょっと可愛いからって調子に乗ってうぜぇんだよ。だから分からせてやらねェとな〜…?」
「!ひっ…」

ズボンのポケットからカッターが取り出されたのを見て、思わず小さな悲鳴が出る。
普段から持ち歩いているのだろうか…でないと、ポケットになんか入っていない。
そんな事を考えている間に、男は私の着ているメイド服を胸元から切り出した。

「!?やっやめて…!!」
「おっと、手が滑っちまった〜」

抵抗しようと動いたら一気に引き裂かれてしまい、下着が少し見える程に。
隠そうにも手を押さえ付けられている上に、下手に動けば何をされるか分からない。


恥ずかしさと恐怖でとうとう堪えていた涙が零れ落ちる。

何で…私がこの人に何したっていうの……?

あまりにも理不尽な状況にただ泣く事しか出来ない。

・→←第十三章 ロマンス



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結川(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます! (2021年9月19日 1時) (レス) id: d45f7778dc (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 続編おめでとうございます!高評価しました! (2021年9月18日 16時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:結川 | 作者ホームページ:https://www.pixiv.net/users/17663132  
作成日時:2021年9月18日 16時

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