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目を閉じる話3 ページ3

森を歩き始めてどれくらい経ったかわからないくらい歩いた時

ふと、声が聞こえた。

声の方へ進んでいくと、全身真っ黒な人が居た

その人は、空を見ながら岩に腰を掛けている。

ガサッ

音を立ててしまった...(汗)

その人は、私に気づきこちらを向いた

「おや?これは茉莉様どうなさいましたか?」


その人は、私のことを様付けで呼んだ...。
待って、何で名前を知っているの?


「フフッ...何で名前を知っているか...ですか」


「えっ?こ、心が読めるの?」


「いいえ、口に出ていましたけど」


は、恥ずかしいっ!

多分、私の顔は今、真っ赤だろう


「ククッ...そう焦らずに...そうですねぇ...
貴方は、私の主のお孫様だからですかね?」


「ま、孫?」

「そう、お気になさらずに、とにかくどういたしましたか?」


「え、えっと」


この人に言って良いのだろうか...まぁ、良い...よね?


「...お、お散歩をしていたの」


「...散歩ですか」


その人は、事情が分かったかのような顔をして
私の方に近寄ってきた。


「では、今すぐお家に戻ったほうがよろしいと思いますが」


この人は、私のことをお家に帰そうとしている

「え、えっと...あ、!あの...名前...名前ってなんですか?」


「?...」

その人は、意味がわからないとでも言うような顔をした。

「なぜ、今...名前の話を?」

えっと、...えっと、...


「あ、貴方の名前、知らないなぁーって、思って!
さぁ!なんていうの?」


半分は、勢いで言ったがまぁ、大丈夫だろう...

大丈夫だよね?


「すみませんが、私には名乗れる名がありません。
強いて言えば、『冴える蛇』ですかね?」


「さ、冴える蛇?」


な、なんて、長い名前なんだろう。5文字だ...


「じゃあ、私が名前を決めていい?」


「えぇ、貴方様が決められた名前なら、ありがたく使わせていただきます」


「えっと、じゃあ...『クロハ』ね!」


「クロハ...クロハ...ありがとうございます。
では、家まで送ります」


「えぇ!?」


家に帰らないために話を変えたのに
これじゃあ、意味がない!


「で、でも!まだ帰らなくても!」


「いいえ、空を見て下さい。もう夕方ですよ?
帰らなくて良いのですか?お母様が心配なさいますよ」



...お母さんの事を忘れていた。

私は、顔を青ざめ、下を向いた。


「...大丈夫ですよ、あの方はお優しい方です」

「うん」


そうして、私は、家に帰った...。

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作者名:駄作者は絶対に完結本を出す | 作成日時:2023年5月13日 15時

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