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第7話 ページ10

俺はすぐさま寮を飛び出し、半ばパニックになりながら校舎に向かう。

…誰かが部屋を荒らし回った挙句、モンスターボールを盗んでいったことは間違いない。

あの小学生レベルの嫌がらせ……犯人はしょーもない寮生で、ボールを盗んだのも面白半分であることは目に見えてるが、だからこそマズイ。

ポケモンを全く知らんこの世界の人間がモンスターボールを手にしたら……
……ああぁぁぁ考えたくもない!!

面白半分で盗んでいいもんじゃねえよ!俺の大切なぽんが!!あのボールの中に入ってんだから!!


ひたすら校舎中のゴミ箱を漁ったり、ポケモンを呼ぶための指笛を吹いたりしたが…反応はなし。


『くそっ!どこいったんだよ……』


情けなく半泣き状態になりながら、次の校舎に向かおうと中庭を突っ走っていた……その時。





「みーつけたぁ…♡」



『っっっ!!?』



いきなり後ろから首根っこを掴まれ、急停止を余儀なくされる。
………この、聞き覚えのある、ねっとりした危険な声は…。



『………フロイド、先輩』



フ「お、せいか〜〜い。ロミー、オレの名前覚えててくれたんだぁ?ふふーっ♪」


………さいっあくだ。今この人に捕まるわけにはいかないのに!!


『はなせっ!!俺はあんたみたいに暇じゃないっ!!』


フ「あはっ!せっかく会えたのにナニその言い方?
……もしかしてー、ろも「こいつら」みたいにされてぇの??」


こいつら…??
と聞き返すよりも早く、俺の視界にその答えが飛び込んできた。
…どこかの寮生2人が、ボロボロになって横たわっている。


『あの……この2人、どうしたんすか。気絶してるみたいですけど…』


フ「んー?
…なんか見てたらムシャクシャしたから、出会い頭に絞めといた。」


な、ナニソレ……理不尽すぎるわ。
いくらなんでもこいつらが可哀想………ん??待てよ。

倒れている2人、よーく見たら…この前1年からカツアゲしてた2人組じゃないか??


フ「んでー、なんかおもしろそーなモン持ってたからついでに奪っといたぁ。」


そう言いながら、フロイド先輩はポケットに入れていたらしきものを見せびらかしてくる。



『あああぁ!!?そっそれはっ……!!』



柄にもなく間抜けな声が出る。いや、これは出ても仕方ないだろう。

だって先輩の手にあるそれは…紛れもなく、探し求めてたモンスターボールだったんだから。

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作者名:フリスク18 | 作成日時:2023年11月12日 0時

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