検索窓
今日:2 hit、昨日:16 hit、合計:3,619 hit

第6話 ページ9

『ん〜……ダメだ、見つからん』


分厚い本をパラパラめくっては棚に戻す。これでもう何度目だろう?

帰る方法を見つけるため、図書館で手当たり次第に資料を探してはみるものの…手がかりはゼロ。

パルデアの「パ」の字もなければ、ポケモンの「ポ」の字もない。
本当に、ここは俺の知らないまったくの別世界なんだって、改めて実感させられる。


『…にしても、この前は酷い目にあったなぁ。』


フロイド…だっけ。あのクレイジーな先輩。

奴ら(モブ寮生)みたいに罵倒されたわけではないが、先の読めない行動に翻弄されてばっかでとにかく……疲れた。

「仲良くしよーね♡(目が笑ってない)」って言われたけど…はっきり言ってノーサンキュー。あれ以来、できるだけ中庭を通るのを避けるようにしてる。


早く元の世界に帰りてぇ……でも、帰る方法が見つからない…………ぁ〜〜もうっ!!!


頭をガリガリしていると、いつのまにか時間が過ぎていることに気づく。


『もうこんな時間か…一旦寮に戻ろうかね。』


うちの可愛い可愛いぽんが、お腹を空かせて待ってるはずだ。
俺はちゃっちゃと資料を片付けてオンボロ寮へ向かった。




〜オンボロ寮〜



『うぃー、やっとついた……
??』


玄関の扉を開けた瞬間、なんとなく違和感をおぼえる。

廊下に置いてある家具…あんな場所にあったっけ?それに、昨日掃除したはずの廊下が汚い。
…よく見ると足跡がついている。


……まさか。
………留守中に、誰かが勝手に侵入したとか…??



嫌な汗が流れてくるが、立ち尽くしている場合じゃない。

俺は迷わず廊下に立てかけてあったほうきを取り、足跡を辿っていく。足音を立てないよう、慎重に…。


その足跡は…自室まで続いていた。


『誰か知らんが……待ち伏せてんなら返り討ちにしてやるっつーの…!!』


俺はほうきで身構えつつ、乱暴に扉を蹴開いた。






『なっ………なんっっじゃこりゃ!!?!?』



目の前に飛び込んできたのは、待ち伏せていた寮生ども……ではなく、徹底的に散らかされた部屋の残骸。

壁中にラクガキしてたり、布団がくしゃくしゃになってたり…??
なんか……思ってたより地味な嫌がらせで、一気に全身の力が抜けた。

______のも束の間。


『……あれ??』


とある重大なことに気がつき、再び血の気が引く。

どこにも、ない。棚の上にも引き出しの中にもキッチンにも、どこにも。




『な、ない……
モンスターボールがないっ!!!』

第7話→←第5話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
24人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:フリスク18 | 作成日時:2023年11月12日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。