検索窓
今日:1 hit、昨日:20 hit、合計:3,638 hit

第3話 ページ6

「あのさぁ、さっきからモゾモゾ動くのやめてくんね?巻きづらいんだけど。」



『……………』(放心状態)



…………なぜ?
なぜ俺は今、得体の知れない大男の膝の上で手当てを受けているんだ??

……話は数分前に遡る。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





モブ上1「絞められてたまるか!!逃げるぞ!」


モブ上2「お、おい待ってくれ〜!」



恐れをなしたのか、上級生どもは光の速さで逃げ出した。

いったいどんな奴が来たのかと目をやると、そこにいたのは…俺の想像を遥かに超える存在感を放つ男。

メッシュの入ったターコイズ色の髪、オッドアイのタレ目、着崩された制服。そして何より………デカい。
何センチあるんだ??俺と頭一個分は違うな…

こんな大柄な男に脅されたら、そりゃあいつらも逃げ出すわけだ…ていうか俺も早く逃げないと。

俺はよろよろと立ち上がり、1秒でも早くその場を離れようとした。



「ねぇ。」



……が、そういうわけにはいかないようで。




『…俺ですか?』



「は?お前しかいねーじゃん。助けてやったのに礼も言わないの?」



…助けてくれてたんかい。わかりづらいよ!

口元は笑ってるが、目つきや声色から明らかに気を悪くしてるのが伝わってくる。……怖すぎる。



『えーと……あぁ、助けてくれてありがとうございます。』



「ふはっ。言わされてる感すげ〜」



そう言ってふにゃっと笑う姿は、どことなく幼い雰囲気もあって。変な…いや、不思議な人だな。



『じ、じゃあ、俺はこれで…』



笑ってるうちに今度こそ離れようと試みたが、すかさず首根っこを掴まれ「ぐえっっ」とマヌケな声が出てしまう。



『な、なんすか…!?』



「そこ。腹んトコ。ケガしてんの?」



『へ…??』



予想もしなかった発言に唖然とする。

…まあ、まだやることあるし、早いうちに手当てしといたほうがいいのかな。



『あのー…傷の手当てしたいんで、保健室の場所教えてもらえませんか?』



「えーヤダ。なんで俺が教え……」




やっぱりダメか…しゃーない、自分でテキトーに探して……??

なんか、もの凄い視線を感じるような…




「…いいよ〜教えてあげる。中庭でサボるより楽しそーじゃん。
ほらァ、こっちだよ。いっしょにいこ?」



突然乗り気になったかと思うと、ニッコリ笑顔で俺の背中をぐいぐい押してきた。


つ、ついてきてくれとは言ってないんだけど…
はぁ…なーんかイヤな予感がするなあ…。

第4話→←第2話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
24人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:フリスク18 | 作成日時:2023年11月12日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。