第2話 ページ5
『さてと、今日は中庭の掃除か………ん?』
ほうきを片手に中庭に到着すると、そこには3人の人影が。
「おーい1年くん、今から購買で俺らの飯買ってきてくれよ〜。」
「1年なら先輩の言うこと聞けるだろー??」
「え、ええと……」
…どうやら、上級生2人に下級生が絡まれているらしい。
もしパルデアでこんな状況に遭遇していたなら、すぐさま割って入ってポケモン勝負で打ち負かしただろう、が。
この世界の人間が何をしようと、俺には全く関係ない。
3人の様子を尻目に、俺は離れたところでシャッシャとほうきを動かす。
モブ上1「おーい聞いてんのかよ??」
モブ下「うぅ……だ、だれか…」
……関係ねえ、はずなんだけど。
『おい。』
モブ上1「あ?」
気づいたときには、すでに体が動いていた。
『ここ、今から掃除するんですよ。先輩方、どっか行ってもらえませんか?邪魔なんで。』
モブ上1「…は?急に出てきて何お前。」
モブ上2「あ、こいつアレじゃね?何の魔法も使えねえから授業出ずに掃除ばっかさせられてる新入生!」
モブ上1「ん?あ〜!
なんだよ入学式んときのダッセェ奴か、あはは!」
こいつらが俺の悪口で盛り上がってる間に逃げるよう合図を送ると、下級生はそそくさと立ち去った。
モブ上1「あっこら待て!!」
俺はすぐさま追いかけようとする上級生共の道を阻んでやる。
モブ上1「どけっ!テメェこのっ……なめやがって!!」
『っ!!!』
ドスっっ……という鈍い音と共に、俺はその場に倒れ込む。噎せ返るような酷い痛み。
ま、まさかまた殴られるとは……
しかも前とおんなじみぞおちを……っ
腹を抱えてうずくまっていると、頭上からケタケタと嘲笑う声が聞こえてくる。
モブ上1「あーあ、お前のせいであの弱そうな1年逃がしちまったじゃねえか。」
モブ上2「じゃ、あいつの代わりにお前が俺らの財布な!
ひとっ走り購買行ってきてくれよ〜、いつまでもお昼寝してないでさ〜」
ぐ…目の前がチカチカしてきた…。
これは、さすがに…ヤバいか…も…………
「はーぁ……
さっきからうるせェんだよ小魚ども。」
モブ上1「あぁ??だれd…………げっ!!」
モブ上2「やっべ……おい、逃げっ」
…?
こいつら突然慌てて…いったい誰が来たんだ…?
「あはっ。オレが寝てる横で騒ぐとか、お前らいい度胸してんじゃん。
で?どいつから絞められたいの?」
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作者名:フリスク18 | 作成日時:2023年11月12日 0時