第1話 ページ4
『いっってぇ……
あんのクソ寮生共、今日も俺のこと馬鹿にしやがって…』
学園長に任された雑用を終えて、オンボロ寮に戻ってきた俺はため息をつく。
この、ツイステッドワンダーランドとかいうよくわからん異世界にとばされてから、まだ少ししか経ってないが…
ここの攻撃的でプライドの高い寮生共のおかげで、俺の心は早くも荒んでいた。
もう何回「ダサい奴」だの「冴えない奴」だの言われたことか…魔法が使えないだけで。まぁ、べつにそれだけならいいよ?どうでもいいし。
今日の奴は掃除の邪魔してきたから軽く睨んでやったんだが…それがお気に召さなかったようで。おもいっきりみぞおちに1発くらっちまった。ついに暴力。
はっっらたつわ〜……ここまでするか??ふつう。
オ「ぽにお〜……」
『?あぁ、ぽん。心配かけてごめんな〜…俺は大丈夫だよ。』
オーガポンの「ぽん」が、心配そうに顔を覗き込んでくる。安心させるように頭を撫でてやると、可愛らしいニッコリ笑顔を見せてくれた。
こいつがいてくれることが唯一の癒しだ…
『あんな顔も覚えられんようなパッとしない奴ら、俺とお前が力を合わせて戦ったら一目散に逃げてくのは目に見えてんだけどな。でも、無駄にお披露目したら注目集めてお前が危ないかもだし…』
オ「ぽに…?」
『クスッ腹へったな。そろそろご飯にするか!』
オ「がおっ!」
ハァ……オレンジアカデミーの優しい仲間たち、快適だった寮生活が恋しいよ。
いつまでもこんなところにいたら心がささくれちまう。
なんで異世界にとばされたのかは全く知らんが…さっさと帰る方法を見つけて、とっととおさらばしてやるからな!
24人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:フリスク18 | 作成日時:2023年11月12日 0時