箱庭ジレンマ【ツイステ×ポケモンSV】 (ページ19)

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第13話ページ19

そんな先輩に案内されたのは、水族館みたいな雄大な眺めを一望できるカウンター席。

フ「じゃ〜注文決まったら聞きにくるね。」

『ありがとうございます。』

さて、何にしようかな…とメニューを開く前に、目の前の大きな水槽に見惚れてしまう。

この学園内にも、こんな落ち着いて過ごせる場所があったんだなぁ。

「おい見ろよ、あそこにいんのってあの雑用係じゃん。」(ﾋｿﾋｿ

「なんでこんなとこにいるんだ？完全に場違いだろ。」(ﾋｿﾋｿ

……前言撤回。やっぱり、この学園内に憩いのスペースなんてないわ。

は〜〜あ……

フ「ばぁ♡」

『うわっ！！？』(ﾋﾞｸｯ

いきなり両肩に手を置かれ、跳び上がるほど驚いてしまう。

フ「注文ききに来たよ〜♪
何にするか決まった？」

『えっもう！？』

まだメニュー開いてすらねぇ…どうしよう？

テキトーに目に入ったやつにしようかと思ったところで、咄嗟に閃いた。

『…そうだ。
フロイド先輩が決めてくれません？』

フ「え、オレが？」

『どれにすればいいかわかんなくて。
あと、先輩が淹れたら何でも美味くなりそうだし。』

フ「〜〜〜っ！！♡

………かしこまりましたぁ♪」

…なんか、一瞬もの凄い表情をしてた気がするが。触れないでおこう。

『…あれ？あいつらどこ行ったんだ？』

先輩が厨房に向かってから周りを見回すと、さっきまでの悪口連中は突然いなくなっていた。

〜暫くして〜

フ「ロミー〜、お・待・た・せ♪」

やがて、歌うような調子で飲み物が運ばれてきた。

フ「はぁい、たった一人のお客様だけにお出しする、スペシャルティーで〜す…♪」

『おぉ〜…！』

レモンが添えられてていい香りがする。こんなおしゃれなカップも初めて見た…

『い、いただきます！』

一口飲んでいる間に、先輩が隣の席に腰掛けてきた。頬杖をついてニッコニコしている。

フ「ど〜ぉ？うまい？」

『…！す、すげ〜うまいですっ』

お世辞でもなく、今まで飲んだ中で一番の味だった。

フ「よかったぁ♡
それただの紅茶じゃなくってぇ、ノンカフェインのやつなのね。飲みやすいでしょ？」

『へ〜たしかに！体もあったまるし、これならいくらでも………』

……あれ？

なんか、急に…眠気が…
俺疲れてんのかな…

フ「…どうかしたぁ？」

目の前のフロイド先輩の姿も霞んで……

ダメだ、もう……

『…ぐー…ぐー………』

フ「………………。」