第11話 ページ15
あれからというもの…フロイド先輩は毎日のようにここへ訪ねてくるようになった。
よほどポケモンの話がお気に召したのか、次から次へと質問は止まない。
いつのまにか、ぽんに「ヒトデちゃん」なんてあだ名もつけられてるし。(形が似てるかららしい)
フ「仲いいよねぇ、ロミーとヒトデちゃんって。」
『そりゃあ、ぽんは俺の相棒ですからね。強くて可愛い、まさに最強で無敵のポケモンですわ。』(ニヤリ
オ「ぽにぉー♪」
フ「わ〜〜、なんかうざーい。」
『なんでだよ!?』
フロイド先輩が笑うのにつられて、俺もなんだか可笑しくなる。
なんだかんだ、この他愛無い話で盛り上がる空間を楽しんでいた。
フ「ねぇロミー?ヒトデちゃんはさぁ、どこで捕まえたの?
さっき言ってたタイムマシンのあるとことか?」
『あぁ違いますよ。捕まえたというより、
この子は、……………。』
…反射的に黙ってしまった。どうしても、次の言葉が出てこない。
オーガポンとの出会いに、忘れられない「あいつ」の陰がチラつくから。
フ「……なんで黙んの?さっきまで楽しそうに喋ってたじゃん。」
不思議そうな声と、突き刺さるような視線が痛い。
『……アハハ。その…先輩の想像を絶するほどのつまらなさだと思うんで、聞かないほうが……
…いや、聞かないでください。』
今なおズルズルと引きずっているあの記憶を…話す気にはなれなかった。
フ「…………あっそ。わかったー」
あからさまに冷めた返事を最後に、それ以上何も質問はされなかった。
…興醒めされたんかもな。気分屋だし。
でも…さっきは楽しかったんだけどな。
淋しさを紛らわすようにぽんを撫でていると、
離れた場所から「ねぇ」と声がした。
フ「今度さぁ、モストロ・ラウンジにおいでよ。」
『…も、もすとろらうんじ?』
フ「うちの寮でやってるカフェ。オレ、そこでバイトしてんの。
ロミーもぜったい気に入ると思うよ〜」
まるで何事もなかったかのように平然と、寧ろ上機嫌そうにニコニコしている。
カフェかぁ…
本でも持ち込んで、気晴らしにのぞいてみるのもいいかもな。この人が働いてるとことか、想像つかなくて気になるし。
それに、何より…誘ってくれたことが単純に嬉しい。
『わかりました。時間できたら行くんで、待っててください。』
…なーんて呑気に構えてた俺は、このときフロイド先輩が何を考えていたかなんて…
フ「は〜い…♪」
…知る由もなく。
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作者名:フリスク18 | 作成日時:2023年11月12日 0時