第9話 ページ12
『は〜〜……
ぽん、ごめんな〜?危険な目にあわせて…』
オ「ぽにぉっ!」
あれから、俺はもう突進するケンタロスの勢いで寮に戻ってきた。
アクシデントのおかげでなんとか逃げてこれたはいいものの…。今後、あのいろいろとヤバい先輩(フロイド)と出くわすのは意地でも避けたい。今までも避けてたけど、これからは本気の本気で。
まぁでも…あの人のおかげでぽんを見つけられたわけだし、一応ちゃんとお礼はしたほうがいいのか?
うーん…でもなぁ………
フ「うわぁ、なにこの部屋きったね〜。ロミーっていつもどんな生活してんの?」
『(イラッ
あのなぁ、これはべつに俺が散らかしたわけじゃn…………』(フリーズ)
ありえない状況を理解して凍りつく。完全に思考停止…いや、心肺停止したかもしれん。
なぜだ…なぜいる……???今後一切会わないと決めた矢先に。
ガチガチに固まった動きで声のするほうへ振り向くと、案の定。
薄気味悪い笑みを浮かべた「奴」が…フロイド先輩が、扉にもたれかかってこちらを見下ろしていた。
フ「あははっ。…ロミーさぁ、大事なモン取られたのに全然こりてないじゃーん?部屋の鍵開けっぱなしでいつでも入りほーだい。よかったね〜、入ってきたのがオレで♡」
『………ええ。おかげさまで大変勉強になりました。反省して今後は施錠を徹底します、なので、今日のところは速やかにお引き取りを…』
フ「は?帰るわけねぇじゃん。」
……まぁ、そうなるわな。
フ「せっかく面白くなりそーだったのに、あのまま逃がすとかありえねェから。
ロミーが契約したんだよー?何でもしてくれるって。」
恐怖を煽るようにジリジリと距離を詰められ、気づけば壁際まで追いやられていた。…そしてそのまま、
ドゴッッ!!!
『ひっ』ビクッ
…という凄まじい音で、股下スレスレのところを蹴られたもんだから、思わず情けない声が出てしまった。
フ「…ゾッとしたぁ?あはっ目ェ見開いて真っ青になってる……♡
だいじょーぶ、ロミーがちゃーんと約束守ってくれたら、なんにもしないから。
だからぁ…ロミーの時間、オレにちょーだい…?」
…保健室のときと同じ、あの甘ったるい声。
妙に色っぽく囁くもんだから、雰囲気につられて顔が熱くなってくる。
俺は俯いたまま、顔を上げることができなかった。いま目を合わせたら、きっと……いろんな意味で、ヤバいから。
この人は……俺に、何をさせるつもりなんだ…?
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作者名:フリスク18 | 作成日時:2023年11月12日 0時