第8話 ページ11
フ「も〜なに?急にデカい声出すじゃん。」
『あの、それ…返してくれませんか?俺のなんです。
部屋から無くなって探してて。』
フ「あー、これロミーのだったんだ?
こんなヘンテコなボール持ってんだねー、何に使うの?」
…どうやら、モンスターボールに興味津々らしいなこの人。
そりゃ興味が湧くのはわかるが…中にポケモンが入ってることは、できれば教えたくない。
『まあ、その…お守りというか。とにかく俺にとって大事なものなんです。』
フ「……ふーん。
いいよ〜、返してあげる。大事なモノだもんね。」
『お、ホントですか!?ありがとうございm((スカッ』
受け取ろうとした瞬間、フロイド先輩はボールを持つ方の腕を高く挙げる。…それはもう、清々するほど眩しいニッコリ笑顔で。
『……あの、先輩。届かないんですが。』
フ「あはっ。ロミーはちっちゃいよねー。背伸びしたら届くんじゃね?ほらほらァ頑張って♪
届く前にぎゅ〜〜ってしてやるけどさ。」
普通にあんたがデカすぎるんだよっ…!!ニコニコ顔で見下ろしてくるもんだから余計腹立つ。
まぁ要するに、タダで返す気はないってことだな。
ハァ……つくづく無慈悲な世界…。
『……わかった、わかりましたよ。じゃあボール返してもらう代わりに、何か言うこと聞きます。』
フ「……言ったな??」
『!?((ゾッ』
目を合わせた瞬間、金縛りになったような恐怖が襲う。
…さっきまでの笑顔は消えて、大きく見開いた黄色の瞳が俺を映し、ギラギラと光っている。もう撤回は許さないといった様子で。
……どうしよう。今すぐ逃げたい。
フ「んーじゃあねぇ…(カチッ
……あ?なんか押s____」
ボンっ!!!
オ「がおっ…!」
フ「ぅわっなんかでたぁ!?!?」
『なっっ!?』
ま、まさかのハプニング…
モンスターボールからぽんが出てきてしまった!やばい!!
フ「え、なにコイツ……ロミーのペット??…あはははっおもしれ〜〜っ!
ねぇねぇ、ギュってしていーい?あぁでも、ちっちゃすぎてすぐ壊れちゃいそう…」
オ「ぽ、ぽにぉ…」
こ、このままじゃ、ぽんが変態に喰われる!!
『ぽん!ニードルガードだ!』
フ「今度は何ぃ!?
…って、針?ハリネズミってこんなんだっけー??」
今だっ…!
油断した隙にボールを奪還し、俺はぽんを抱えて一目散に逃げ出した。
フ「あ〜あ。逃げられちゃった。
…まぁ、すぐ捕まえてやるけど。」
24人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:フリスク18 | 作成日時:2023年11月12日 0時