やつがれくんが記憶喪失になりました。

17,二十五日〜ひったくり ページ18

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今日、多くの学校等が冬休みに入っている。
まぁだからといって、マフィアには休みなどそうそう無いのだけど。
そんなこと分かりきってるだろ…！と皆々様思うかもしれない。
そんなことは私だって分かってます、……じゃあなんでこんなに恨みがましいか、
それは即ち、
「街のキラッキラなクリスマスムード」が原因であります。
赤いリースやらきらびやかなイルミネーションで装飾された木々、恋人や友人、家族等と腕を組み肩を並べて街を行き交う人々、マライア=キャリーの高らかな歌声……。
はぁ、良いなぁ……。うううぅ…
クリスマスムードを体験したく、近くのコンビニでチキンを買ってみはしたものの、…寧ろ惨めな気持ちになってしまった。
「バカやろ〜う！！」
思わず叫んだ私の声に、周りの人は不審そうな顔をする。
もうっ、！いいもん！てかクリスマス本番は今日じゃあ無いしね、！

………ぐすん

「全く、！彼奴はこんなときに何処をはい回ってるんだ、！？俺の予定をことごとく…！」
「あ、あはは、太宰さん…何処行っちゃったんでしょうね…。」
「うーん、あァ、太宰さんのことだし、こンな夜は何処かの女性とデートとか…？」

ん、？あの人達、何処かで…？

だが、そんな思考は次の瞬間奪われた。
「うおおっ、！？」

突然の後ろからの衝撃に前へ倒れる。
原因はすぐに分かった。
あれだ、
ひったくりだ。

「ちょ、私のバッグ！！！待ちなさいよっ！」
犯人らしき男そそくさと人混みの中に走って行く。
う、嘘でしょ、！？あの中には大切な書類も…！でも警察呼んだら鞄の中を見られるかもしれない。そうしたらかなりヤバイ…！
もう、！こうなったら一人で追いかけるわよっ…！！って………えぇっ！？

私は、先程倒れた時に靴のヒールが折れていたことに気がつく。
こ、これじゃ走れない…！うぅ、もうどうにでもなれ…！！

私は、両方の靴を脱ぐと全力で駆け出した。
「待て〜ぃ！！！」

〜〜〜

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