やつがれくんが記憶喪失になりました。

5,戦闘開始 ページ5

物凄い熱風が巻き起こり、砕けたシャッターが四方へ飛び散る。
「だっーーーーー誰だっ！？」
ありきたりすぎる反応、か。まぁ、そうだよね。
むわっとした蒸気が、出口を見つけて外へ逃げていく。それと同時に霧のようなものも晴れ、中の様子が分かってきた。

「察、じゃねぇのか…。」「…ん？女？」「学生かよ…。」
んー、武装した男たちがざっと30人程かな。それにしても、私を見た時の敵の反応って皆同じなんだよなぁ。怖がられることはまず無いというか…。
ま、それも戦術になるのか。
「何だお嬢ちゃん、俺らに用かい？」
うわぁ、いやらしい笑み。銃もすっかり放置だし、舐められてるなぁ。

「〜〜〜〜がぁっ！？！」
男が黒いものに引き裂かれて崩れ落ちる。おそらく、もう息は無い。
「ゴホッ、コホッ、雑魚が。」
「先輩、生かしておかないとですからね？いつもみたいに独断先攻しちゃ駄目ですよ？」
「余計なお世話だ。貴様はもっと人を殺める術を知るべきだな。」
私の後ろにいた先輩に気づいた男たちは目を剥き、あちこちから短い悲鳴が起こる。
「こ、いつ…！ポートマフィアの芥川っ！」「こいつらマフィアかよっ…！」
ゴホゴホ、如何にも……なんちって。
「おい、ぼけっとするな。たまには役に立て。」
「もうっ、仕方ないなぁ。先輩じゃなかったら逆ギレしてましたよ？(キャピ)」
「は？(真顔)」
…あっ、すいません。はい、働きます。
私は水の入ったカプセルを取りだし、宙へ投げた。

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