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手持ち花火を両手にニカッと笑うクロにつられて顔を出す研磨
「浴衣、お母さんが着付けやるからおいでって
支度出来たら行こ」
『…え』
「浴衣、着たかったんでしょ？」
今年新しくした浴衣
『でも、おばさんに迷惑…』
「ウチは男しかいないからってシロが浴衣着てくれるの楽しみにしてるよ」
研磨はいつも通り続ける
「それから明日の支度して泊まってきなよ」
『でも、』
「シロのお母さん夜勤明けだからゆっくり寝かせるためにも俺の家いたら安心なんじゃない」
『！』
「夏休みに泊まりに来るなんて恒例だったじゃん」
「てなワケだから、とりあえずそのまま学校行ける準備しちゃえよ」
クロと研磨に促されて
「ほら可愛い〜
絶対Aちゃんに似合うと思ったのよ！」
紅い牡丹の咲き乱れる白地の浴衣
「A、支度出来たー？」
『クロ、』
「お！似合うじゃん」
おいでって手を引いて
太陽が落ちて、暗くなった空の下
「好きなの選べよ
これとかめっちゃすごそうじゃね？」
なんて両手に花火を持って笑う
「研磨は？どれやる？」
「俺線香花火がいい」
「分かってねえな〜
線香花火はトリが相場ってもんなのよ」
と、クロが目を細める
「クロ、火ちょうだい」
「待て研磨！やるのはいいけどその角度は危な…
あっつ！ほら！言わんこっちゃない!!
お前先を俺に向けるのやめろ！」
「シロ、次はこれやろ」
「俺の心配は？」
暗い夜の空に
煌びやかな花火と、賑やかな声が響く
「はぁ〜、楽しかった
これが最後か」
はしゃぎ疲れて
最後のしめは
「ほら。やるだろ？線香花火」
『…うん』
「3人で勝負しようぜ
1番長く玉がついてたやつが2人になんでも言うこと聞いてもらえる」
輪になって、火をつけて
小さな灯りを見つめる
「あ、俺の落ちちゃった」
最初に研磨の火花が落ちる
「Aの、安定してるね」
『…動かないでいるのは、得意だから』
「ふーん…
クロも昔から線香花火好きだよね」
「おー」
「一瞬で終わっちゃうし、目立つやつの方が好きそうなのに」
「だからいいんだろ。こういうのは」
『…』
「短くて、儚いから
落ちるまでの輝きが楽しいんだ」
小さくて、一瞬の優しい灯りが
夜を照らす
「あ、落ちた」
「…ってことで、優勝のAさん。
お望みは？」
『私の望みは…、』
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りな∞(プロフ) - 黒尾ファンさん» コメントありがとうございます！やっとゴミ捨て場の決戦まで来れました🥰今後の展開も楽しんで頂けるように頑張ります💓 (4月15日 0時) (
レス) id: 2e61ee43e2 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - もう、どうなっていくのか、想像がつきませんこれからも頑張ってください！！ (4月14日 22時) (レス) @page33 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
りな∞(プロフ) - 黒尾ファンさん» コメントありがとうございます！ぜひバグり馴染み達の今後を一緒にお楽しみください🙌 (4月1日 14時) (レス) id: 071d7e6dbd (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 続き楽しみにしてますこれからどうなっていくのか楽しみです。応援してます (4月1日 0時) (レス) @page23 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
りな∞(プロフ) - みおさん» コメントありがとうございます！幼なじみと黒猫の関係も踏まえて今後も楽しんで頂けると嬉しいです💓 (3月23日 18時) (レス) id: a2c38d3b09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りな∞
| 作成日時：2024年3月14日 9時
