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夏休み最終日の明け方
『クロ…待って、行かないで！』
クロが離れていってしまう夢を見た
目が覚めると
ﾋｭｰﾋｭｰと空気の抜ける音
(息、うまく出来ない)
「おい、どした。発作か？」
『…クロ、？』
「や、なんか…すげえうなされてるみたいだったから」
私たちはお互いの部屋に面した窓の鍵はいつもあけたままで
いつでも自由に行き来が出来る
(とはいえ、)
何で、分かるのって聞いたら
明確な答えはかえってくるんだろうか
「薬は？」
『大、じょぶ…
このくらいなら、すぐ収まるから…へ、き』
「じゃ、布団入んなさいよ
毛布かけてやっから」
『…クロ、いかないで』
「…どした？怖い夢見たか？」
『クロが、いなくなっちゃう…夢』
「ふーん」
震える手でクロのスウェットを掴んでいた指先はするりとすり抜けられる
『ごめ、明日も朝早いよね…
もう、平気だから』
私のベッドに入ってきたクロが片手で私の顔を胸板に押し付けるように抱き寄せる
「鉄朗君はどこにもいきませんよ」
『…私、大丈夫だから自分の部屋戻っていいよ』
「ここで寝たって変わんねーじゃん」
『でも、』
「いいから、黙って抱きしめられてなさいよ」
『…いつでも部屋戻っていいからね
無理しないで… 、』
離さないよ、っていうみたいに
クロの腕の力が強まる
『クロ、はなして…』
「ヤダ」
『…息、しずらいってば』
「マジ？それはごめんね？」
慌てて力を緩めるクロの腕から顔を出す
『うそ。クロの顔、見たかっただけ』
「…なんだよ、毎日見てんじゃん」
『毎日見てても見足りないんだもん』
「もの好きだねぇ」
『…クロ、』
「んー？」
『ありがと、』
「いいえ〜」
クロの腕に抱かれながら
嗅ぎなれた安心する匂いと、人の温もりに解けるように瞼が落ちる
『…花火…行くの、なし？』
最終日は練習が早く終わるから、と
3人で地元の花火大会に行く約束をしていた
「んー…そうだな、」
分かってる
喘息を起こした状態で人混みに行って
発作なんて起こしたら、大変なことになる
(クロと研磨と過ごせる高校最後の夏休み…)
体育も、夏のプールも、冬のスキーも
バレーボールも
全部諦めて来たのに
言い聞かせて、納得してきたのに
「今は何も考えずゆっくり寝な
俺はどこにもいかないから」
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りな∞(プロフ) - 黒尾ファンさん» コメントありがとうございます！やっとゴミ捨て場の決戦まで来れました🥰今後の展開も楽しんで頂けるように頑張ります💓 (4月15日 0時) (
レス) id: 2e61ee43e2 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - もう、どうなっていくのか、想像がつきませんこれからも頑張ってください！！ (4月14日 22時) (レス) @page33 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
りな∞(プロフ) - 黒尾ファンさん» コメントありがとうございます！ぜひバグり馴染み達の今後を一緒にお楽しみください🙌 (4月1日 14時) (レス) id: 071d7e6dbd (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 続き楽しみにしてますこれからどうなっていくのか楽しみです。応援してます (4月1日 0時) (レス) @page23 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
りな∞(プロフ) - みおさん» コメントありがとうございます！幼なじみと黒猫の関係も踏まえて今後も楽しんで頂けると嬉しいです💓 (3月23日 18時) (レス) id: a2c38d3b09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りな∞
| 作成日時：2024年3月14日 9時
