【黒猫の呪い】 ページ22
〜side 孤爪
はやくくっつけばいいのに、と思いつつもそう簡単にいかない
周りから見えている以上にこの2人の関係は根深い
あの日
ずっと笑わなかったシロが、昔のように笑いながらドアを開けた
『クロがかえってきたの！
私に会いに来てくれたんだよ！』
｢…クロ？なにいってるの、？｣
俺の記憶の黒猫とクロは全く似てなんかいない
確かに頭がもふもふしてたけど
“生まれ変わり”なんてそんな運命みたいなものじゃない
クロはクロだ
だからAが少し恐ろしかった
・
・
・
｢そういえばなんで2人は俺の事クロって呼ぶの？｣
｢……え｣
｢おばさん達は鉄って呼ぶじゃん？｣
なんでもいいんだけど、とクロは続ける
クロに連れ出されるままやってきたジュニアバレーボール教室
｢黒尾鉄朗です！クロって呼ばれてます！
よろしくお願いします｣
｢黒尾のクロか？覚えやすくていいな｣
と笑った講師の先生に、クロはきょとんとしていた
小学生の時は、周りにもクロと呼ぶ人も多くて
｢えっと、それは…｣
幼心に、言ってはいけないとブレーキがかかって
｢は、肌が黒いから…
俺たちより、｣
さすがに無理があるよね、と恐る恐るクロの顔を見ると
｢確かにお前ら、肌白いもんな！｣
なんて笑うクロにほっとして
｢じゃあ、Aはシロだな｣
『シロ？』
「黒尾がクロなら月白はシロだろ？
おそろい！」
俺たちは彼をクロと呼び
彼女をシロと呼んだ
2人が一足先に中学生になって
いつの間にか、クロは彼女を下の名前で呼ぶようになった
そして、二人の間に少し溝が出来たような気がして
誰にも分からないくらい
ひっそり
だけど、確かに
クロはシロと距離を置いていた
思春期っていうし
中学生になれば自然とそうなってしまうものなのかもしれない
でも
よそよそしい2人を見るのはむず痒くて
｢クロ、シロと何かあった？｣
｢……｣
｢話せないことなら無理には聞かないけど…｣
｢…研磨は“クロ”って知ってる？
昔、あいつん家で飼ってた猫｣
｢……なんでそれ、｣
｢やっぱ、そっか｣
クロは見たことないような顔をしていて
上手く言えないけど
ただ
(もうこんな顔させたくない)
って思った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 209人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りな∞(プロフ) - 黒尾ファンさん» コメントありがとうございます！やっとゴミ捨て場の決戦まで来れました🥰今後の展開も楽しんで頂けるように頑張ります💓 (4月15日 0時) (
レス) id: 2e61ee43e2 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - もう、どうなっていくのか、想像がつきませんこれからも頑張ってください！！ (4月14日 22時) (レス) @page33 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
りな∞(プロフ) - 黒尾ファンさん» コメントありがとうございます！ぜひバグり馴染み達の今後を一緒にお楽しみください🙌 (4月1日 14時) (レス) id: 071d7e6dbd (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 続き楽しみにしてますこれからどうなっていくのか楽しみです。応援してます (4月1日 0時) (レス) @page23 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
りな∞(プロフ) - みおさん» コメントありがとうございます！幼なじみと黒猫の関係も踏まえて今後も楽しんで頂けると嬉しいです💓 (3月23日 18時) (レス) id: a2c38d3b09 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りな∞
| 作成日時：2024年3月14日 9時
