・ ページ2
「…そりゃ、平気なわけないよな」
『中学の時の話だからね
もう慣れたし、平気だよ』
「慣れたって
泣かなくなったって、しんどいもんはしんどいだろ」
『……』
本当に無意識に
「ちょ、大丈夫か？」
『大丈夫、ごめ…』
目が潤んだ
しんどいって思っていいの？
クロは私のモノじゃないのに
「海が言ってた通りだな
欲深く見えて本当に欲しいもの程諦めてるって」
『…？』
「もっと欲張ってもいいんじゃないか？」
『欲張る？』
「…俺は、Aがマネージャー業手伝ってくれるって聞いた時すげー嬉しかったよ」
『！』
「体弱いのはどうにもならないかもしれないし、すぐに治るわけじゃないかもしれないけど
だからって諦めなきゃいけない【要因】にはならねーだろ？」
『……』
「運動の代わりに勉強をってちゃんと現実を見据えて頑張れるお前はすげーと思う
でも、好きなことだって諦めなくていいんだぜ」
クロの大きくて骨ばった手とは違う
少し小さいけど、厚くてあたたかい夜久君の手が私の頭を撫でる
「毎日じゃなくてもいい
無理しない程度でいい
でも、お前がいてくれて
俺は、お前が自分の意思で選んでくれたことが嬉しい」
『夜久君って小さいのにヒーローみたいね』
「小さい関係ねーだろ」
「なにしてんの？」
声の主は
「黒尾」
「A、泣いたの？」
『泣いてな___』
「そんな顔すんなら泣かせんなよ」
「は？どういう意味__」
夜久君はそう言い残して自分の席へ戻って行った
「夜久と何話してたの？」
『…マネージャー、私がいて嬉しいって言ってくれた』
「なんだ、そういう…
てか、そんなの俺だっていつも言ってるじゃん」
『え？』
「覚えてないのかよ」
『…助かると嬉しいは違くない？』
「？」
『夜久君はマネージャー業を手伝うことで助かるって嬉しさだけじゃなくて
私の“選択”が嬉しいって言ってた』
「…うん？」
『クロの嬉しいとはちょっと違うでしょ？』
「……それは、どういう？」
元はと言えば
クロ達が1年生の時、雑用がとろいと怒られ
「お前らで出来ねーならせめて使えるマネージャーくらい連れてこいよ」
と無茶ぶりをされたことからで
クロ目当てに寄ってくる女の子たちはいたけど
無責任に引き入れる訳にもいかないし、と夜久君達は頭を悩ませていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 209人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りな∞(プロフ) - 黒尾ファンさん» コメントありがとうございます！やっとゴミ捨て場の決戦まで来れました🥰今後の展開も楽しんで頂けるように頑張ります💓 (4月15日 0時) (
レス) id: 2e61ee43e2 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - もう、どうなっていくのか、想像がつきませんこれからも頑張ってください！！ (4月14日 22時) (レス) @page33 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
りな∞(プロフ) - 黒尾ファンさん» コメントありがとうございます！ぜひバグり馴染み達の今後を一緒にお楽しみください🙌 (4月1日 14時) (レス) id: 071d7e6dbd (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - 続き楽しみにしてますこれからどうなっていくのか楽しみです。応援してます (4月1日 0時) (レス) @page23 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
りな∞(プロフ) - みおさん» コメントありがとうございます！幼なじみと黒猫の関係も踏まえて今後も楽しんで頂けると嬉しいです💓 (3月23日 18時) (レス) id: a2c38d3b09 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りな∞
| 作成日時：2024年3月14日 9時
