繋いだ手10

裏話 ページ33

真司郎side


あの時の事を思い出しているのか、瞳をうるませながら話すA。


あ「日高さんのピアノも素晴らしくて感動しまし
　 たよ。
　 そういえば、アレンジしてありましたよ
　 ね？ラップの前のところ。」


日「そうなんだよ、よくわかったね。
　 真司郎に言われて、間奏部分をね。」


Aにどうしても花束を渡したくて、ラップの前の部分をアレンジしてもらった。


西「そういえばさ、俺らも楽しかったけど、1番
　 楽しんでたの浦田部長だよな。」


実「そうそう、練習の時の気迫？気合い？凄かっ
　 たよね笑」


あ「そうなの？」


末「なんつーか、熱血指導？
　 少し音外したりタイミングずれると
　 “はい止めて、もっかい初めから"とか言われ
　 てな笑」


千「私ちょっとだけ怖かったですもん笑」


色々協力してもらう為なのと、西島達の結婚式で聞いた歌がほんまに上手くて、浦田部長に頼んだわけなんやけど。


西「浦田部長すげーノリノリでさ、全部仕切って
　 くれたんだよ。」


末「まぁダンスは俺と日高もアイデア出したけど
　 な、」


日「あの人根っからのリーダー格なんだよ、きっ
　 と。」


実「あれほんとは真司郎がやらなきゃいけなかっ
　 たんだよ？
　 言い出しっぺなんだから。」


真「そうやけど、正直どうしたらええかわからん
　 かったんやもん。
　 浦田部長がおってくれて助かったわ。」


末「お前無計画かよ！」


と突っ込まれて、苦笑いをする俺。


みんなに声掛けたはいいものの、実は勢いだけで、無計画だった俺。


そんな俺を見兼ねたのか、仕切りたかったのかは謎やけど、浦田部長が練習日時や、パート分け、ダンスに至るまでほとんどやってくれたわけで。


ほんま、浦田部長に声を掛けて正解やった。


まさかあそこまでとは思ってへんかったけど…。


あ「そうだったんだ。
　 みんな歌上手だし、ダンスも上手だったし
　 ほんとに感動しちゃった。
　 ありがとうございます。」


日「俺達はみんな、真司郎に力貸してやっただけ
　 だよ。」


末「そうそ、」


実「ほんと真司郎ってさ、ふふ、Aの為なら何でもしちゃうんだね笑」


千「愛ですね、愛。」


今となってはこうして笑い話として、その時の話をするのもまた楽しくて、それもまたいい思い出となる。

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