美彩は知っている

小塚君。 ページ31

小「もしもし、アーヤ？」


彩「わぁ！小塚君、久しぶり。」



小「久しぶり。……急なんだけど、明日空いてる？」




彩「空いてるけど…どうして？」





小「ちょっと付き合って欲しいんだ。ダメ？」






今、電話の向こう側で小塚君がシュンとしてるんだろうなぁ。





そう思うと、なんか可愛く思えてきた。








彩「ん、OKだよ。」








うわぁ〜久しぶりだなぁ。




翼以外のkzに会うの。






明日、どんな服着ようかな♪









電話を切ると…わわっ、何か怒った顔の翼が！







え、私の小説のダメ出しかな。








翼「ねぇ、今の誰？」





…………なんで、彼氏みたいなこと言うの？







こないだ振りきったばっかなんだよ。






心、揺らいじゃうじゃん。









彩「小塚君、だけど…」






翼は瞬間、泣きそうな顔になった。









翼「アーヤの初恋は、俺なんでしょ？」









翼「……今は俺の事、好きじゃないの？」









え。





それはどういう意味で言ってるの？





『俺もアーヤが好きだよ』ってこと？






いや、翼には可愛い彼女がいるんだから。









翼「…ごめん、今の忘れて。」









いいの？忘れて。






忘れて。なんて言うなら言わないで。









明日は小塚君と出かけるのに、私の頭は翼で一杯だよ。









翼の泣きそうな顔を思い出すと、胸が張り裂けそうになる。








これは、…………









まだ、やっぱり、翼が好きなのかな。









『初恋だから』とかじゃなくて、普通に、今も、好きなのかな。

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