・ ページ16
そんな顔の熱を冷まそうと、私は上杉君から目をはなし、魚を食い入るようにして眺めた。
なんだったんだろ。
さっきの感情…。
上「立花、もう行くぞ。」
彩「あ、うん!」
イルカショーを見た客が皆、来ているようで、凄く混んでいた。
迷子にならないか、心配。
…って!
上杉君がいないんだけどっ!
その事に気付いた私は顔面蒼白っ。
え、この歳で迷子…?
後ろも横も知らない人で、私は涙が出そうになった。
上「た、ちばなっ!」
鼻をスン、とすすったところで聞こえた、彼の声。
幻聴じゃないよね?
涙の溜まった目で振り返ると。
上「ほら、早くっ…」
手を伸ばしている上杉君がいました。
無我夢中で上杉君の手を握った。
はぐれないように。
まだ比較的、人の少ない海月コーナーに来て、ようやく手を解放してもらった。
…上杉君の手は、あたたかかった。
これも意外。
彩「ありがと、上杉君。」
上杉君は目の端を赤く染めて、ん、とだけ返事をしてくれた。
これは、意外じゃない。
なぜか、フフっと笑みがこぼれて。
上杉君はキョトンとした顔で私を見て。
また私は笑ってしまったんだ。
上「やっぱ、立花は笑顔がいーよ。さっきみたいな泣きそうな顔なんか、似合わねーって。」
彩「んふ、ありがと。」
これも、何か、意外。
黒木君みたいな事をサラッと言えるんだぁ。
私もニッコリ笑って、付け足した。
彩「上杉君も、笑ってた方がいいよ。その方が、かっこいいから!」
26人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イロハ(プロフ) - 翼×アーヤたまらない!一番好きなコンビですよ!応援してます! (2020年4月20日 22時) (レス) id: 2b4cdea49e (このIDを非表示/違反報告)
花桜L - メロンさん» お互い毎日元気で過ごせるように頑張りましょー^^ (2020年4月14日 17時) (レス) id: 4c799f114d (このIDを非表示/違反報告)
メロン - はい!コロナにかからないように頑張りますっ (2020年4月13日 15時) (レス) id: 77d3d65911 (このIDを非表示/違反報告)
花桜L - メロンさん» ありがとうございます!メロンさんも体調には気を付けてくださいねっ (2020年4月13日 12時) (レス) id: 4c799f114d (このIDを非表示/違反報告)
メロン - 凄く面白いです!更新頑張ってくださいね!体調にも気をつけてくださいね! (2020年4月12日 15時) (レス) id: 77d3d65911 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花桜L | 作者ホームページ:http://uranai:nosv.org/u.php/hp/elu
作成日時:2019年10月6日 12時