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Aは扉をゆっくり開けて、上下左右を確認する。執事のローゼスの言葉が脳内で再生される。
主人を守るのも、我々従者の使命。マナーを身につけるのも大事だが、時には盾になるものだ。
弱者による路上生活において最も重要なのは危機を事前に察知してしまうことだ。彼女は人の気配を感じるのはそこらの人間より得意だった。
最強の盾になる自信はある。ウォッチドッグがいるから。
「最強の盾は最強の防御を持ってして最強の攻撃とするんだ」
廊下には気配はない。誰もいない。
足音を消すために靴を脱ぐ。ストッキングの間に砂が入る。
部屋つまり自分の空間を出た瞬間にウォッチドッグは呼び出せない。ここからは1人で行動する。
「台所は…右だったかしら」
音を立てないように、ゆっくり進んでいく。
時計もかっぱらえたらいいな。今何時か全然わからん。
曲がり角も慎重に覗く。
台所前に来て、先に壁に耳を当てる。無音だ。
…おかしいな、ほんの1日前は結構賑やかなイメージがあったが。
ドアノブにそっと手をかけて中を覗いてみる。明かりはないし誰もいない。
レジ袋と缶詰と、あと水と。さすがエジプト、乾燥保存食も水も充分だ。
必要そうなもの、というよりは路上生活で役に立ったものは次々とレジ袋に入れていく、あっという間に袋には4日は凌げそうになった。
3日以上滞在するつもりはない、この辺りでいいだろう。ウォッチドッグのテリトリーから出ている以上、危機的な状況であることに変わりない。すぐに部屋に戻ろう。
そう思って音を立てないようにして立ち上がる。
立ち上がらなければよかったのに。
立ち上がったせいで見られた。小さく醜い男に。
「！！」
Aはほぼ反射的に助走をつけて机を飛び越え、その勢いで自分の身長と変わらないほどの男の口を塞ぐ。男は地面に伏せ、頭を強打した。
一蓮の動作は路上生活で身につけたもので、悪用もしたし善用もした。相手は自分のスピードについていけないのが必須条件だが、大抵の人間は反応できないことは彼女自身知っていた。
無慈悲な強奪は彼女が最も得意とする犯罪行為、生きていく術だったのが皮肉である。
Aは男の目を静かに見つめながら口元で人差し指を立てた。
「shhh…最初からいたのか？イエスなら頷け」
男は怯えたように頷いた。
「…」
直感だった。
脳味噌が“この男、使える”と騒ぎ立てた。
自分の運の良さに心底驚かされる。
彼女は悪役よりも悪役らしく不気味に笑った。
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ソーサラー(プロフ) - まあちゃんさん» 大変長らくお待たせしました！地道に書いていきます！ (2020年10月16日 0時) (
レス) id: 3646a202a2 (このIDを非表示/違反報告)
まあちゃん(プロフ) - 更新再開嬉しいです！とても楽しみにしておりました…！お身体に気をつけてお過ごしください！ (2020年10月15日 23時) (レス) id: 0f8101d4ba (このIDを非表示/違反報告)
まあちゃん(プロフ) - 最近アニメ3部の再放送が始まってDIO気になっていたのでこの小説読んでる時はを見つけられて良かったです！関係性がすごく好きで、どうなるのか楽しみです！！ (2020年5月12日 2時) (レス) id: 0f8101d4ba (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - やっぱりDIOは死んじゃうのかな、、、どちらにせよ楽しみにしてます！ (2020年4月23日 19時) (レス) id: 634ca2a9ef (このIDを非表示/違反報告)
ソーサラー(プロフ) - もっちさん» 人混みは避けて手洗いを徹底しましょうね、夢主ちゃんはこれからコロナ対策張りに苦しい思いをするので楽しみにしててくださいね〜 (2020年4月11日 23時) (レス) id: 373aaa0dac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソーサラー | 作成日時：2020年3月16日 12時
