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「私のことはお気になさらないでくださいませ」とは言い難いジョセフの顔を見てAははにかむように苦笑いをした。「面目もございません」としか言えなくて。
ジョセフは彼女をきつく抱きしめて、塞がった傷跡を撫でた。
Aはいつ話を切り出そうかと思いつつ、グラサンを掛けた緑の学生服の男の方を見た。
「貴方たしか…最初にお会いした方ですよね、ええと、申し訳ございません、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」
男は微笑んで「花京院です、花京院典明」と手をとってキスをした。
「あ、ああ！思い出しました！雰囲気が随分違ったので…はは…ジョセフ様、少し、お話をしてもよろしいでしょうか」
「あ…あ、ああ、構わん構わん…」
「…有難う御座います」
半ば強引だが、引っ張ってもいられない。
彼女は、彼女たちは、DIOのいる最上階を目指しながら、この三週間の話を廊下に響かせた。
DIOの部屋から聞こえるのは、鼻歌。
優しい彼女を手に入れるために、この世を支配するために、ジョースターを滅ぼすために。
「愛してやるよ」と言った彼女は、あまりにも小さくか弱く、そして強大だ。
自分の未来に祝福するために鼻歌を歌い、グラスを取り出してワインを注いだ。
「…」
しかしDIOはそのグラスを砕いた。
溢れるワインに混じり血が床に滴る。
傷はあっという間に治るが、心臓あたりの蠢く感じがどうも取れない。
不安だった。
Aを眠らせているのは確かなはずなのに、不安で仕方ない。
もし、ジョースター共が彼女を見つけていたら？
あの金髪に指紋がついて、青緑の瞳には奴らが映って？まだ永久歯に生え変わっていない口では奴らの名を呼ぶのだろう。
「あ〜…本当に洗脳でも何でもしたほうが良かったかもしれんな〜…」
無為にポツリとつぶやく。
「…ヴァニラ・アイスの気配が死んだ…か。ふん」
とうとう最後の一人になった自分は、やはり偉大だと思った。
逆転劇を見せつけてやろう、そうして、Aも手に入れよう。
ただ、一つの問題は、うっかり彼女を殺さないよう細心の注意を払わなければいけないこと…なんて。
「なぁにいぃ！！」
ジョセフの声が静かな水面に石を投げたかのように、廊下に反響していく。
突然の大声に未成年の三人は耳を抑えるか、しかめっ面をした。
「わっ私は、この三週間、奴を見てきました。私ならDIOめを良いように操れます！ですから彼を殺すのはぁ…！！」
…無理があるな、これ。と少し思うAだった。
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ソーサラー(プロフ) - まあちゃんさん» 大変長らくお待たせしました！地道に書いていきます！ (2020年10月16日 0時) (
レス) id: 3646a202a2 (このIDを非表示/違反報告)
まあちゃん(プロフ) - 更新再開嬉しいです！とても楽しみにしておりました…！お身体に気をつけてお過ごしください！ (2020年10月15日 23時) (レス) id: 0f8101d4ba (このIDを非表示/違反報告)
まあちゃん(プロフ) - 最近アニメ3部の再放送が始まってDIO気になっていたのでこの小説読んでる時はを見つけられて良かったです！関係性がすごく好きで、どうなるのか楽しみです！！ (2020年5月12日 2時) (レス) id: 0f8101d4ba (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - やっぱりDIOは死んじゃうのかな、、、どちらにせよ楽しみにしてます！ (2020年4月23日 19時) (レス) id: 634ca2a9ef (このIDを非表示/違反報告)
ソーサラー(プロフ) - もっちさん» 人混みは避けて手洗いを徹底しましょうね、夢主ちゃんはこれからコロナ対策張りに苦しい思いをするので楽しみにしててくださいね〜 (2020年4月11日 23時) (レス) id: 373aaa0dac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソーサラー | 作成日時：2020年3月16日 12時
