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「…兎に角、何処でも良いけど身体休めてもう少し頭冷やして冷静に考えろ」
それだけ言い残し一度楽屋から離れようと真っ直ぐドアへ向かう
心配そうに「…ミツ、」と声を掛けてきた千賀には辛うじて繕った笑顔を見せ、肩を軽く叩き廊下に出た
「ガヤ、流石に今のは…、」
藤ヶ谷を咎める玉森の声が聞こえた気がするもそれはドアが閉まる事で遮断され完全に聞こえなくなる
「………」
準備の時間まで待つ以外他に用事なんて無い
でもあのまま楽屋前に留まる訳にもいかず、とりあえず自販機が併設された休憩スペースまで来た
長椅子に腰を下ろし、缶コーヒーを一口飲んで深く息を吐き俯けば
…ぽつ、ぽつ、と床に水滴が落ちているのに気が付く
「……………ぁ、れ………?」
なんで……? …なに、これ…
そっと自らの頬に触れるとしっとり濡れる指先
…ああ、そうか。 俺は今泣いてるんだ…
脳がそれを認識してしまえば涙は次々と止めどなく零れてきた
「……っっ、」
思わず漏れ出てしまいそうな声を抑える為に両手で口元を覆う
いい歳した大人がこんな所で子供みたいに泣いてるみっともない姿なんて誰かに見られたら恥でしかないのに、涙を止める術なんてそんなのは俺にだって分からない
「……ふ、……っっ」
…胸が痛い
苦しい
冷たい目
低く、鬱陶しいと言わんばかりの声
優しい目も、甘く大好きな声も
もうそこには無い
藤ヶ谷から自分へと向けられるのは全部、まるで今までが夢だったんじゃないかと思ってしまう程
過去の面影すら見えなかった
何処で間違えたんだろう
一体何が駄目だったのだろう
大切に出来てなかった?考えるだけで苦しくも温かくもなるこのあまりに大き過ぎる想いを欠片でも伝えられてなかった?
やはり、忙しいのに負担になりたくないからと連絡すら疎かになってたのがいけなかった?
少しでも、可愛い女のコみたいに「会いたい」と俺から言えてれば良かった?
タラレバなんてなんの意味も無いのは分かってる
でも、止まらない涙と同じで疑問と後悔は幾らでも溢れてきては頭の中でぐるぐると回って離れなかった
「……………ぇ、?……」
ふと、下を向いたままの自らの視界に入ってきた誰かの足と頭にふわりと触れるぬくもり
直感で近しい人だろうと、ゆっくり顔を上げればそこには優しくも少し困った様な笑顔を浮かべてる宮田が居た
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kurumi(プロフ) - aaaさん» 切なくなったりドキドキしたり…そんなお話が書けたらと思っていたので楽しんで頂けていたら何よりです(*´˘`*)私もFさんは月のイメージでした。でも此のKiさんにとっては太陽なんですよね。逆にFさんにとっては…。ありがとうございます!最後までよろしくお願いします (2022年10月5日 22時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
aaa(プロフ) - このお話、いったいどう着地するんだろうとドキドキしながら読ませて頂いてたのでちょっとホッとしてます。Fくんって太陽の太が入ってるのに月のイメージなんですよね。。月の満ち欠けで進むお話素敵ですね。続きが楽しみです。 (2022年10月5日 19時) (レス) @page27 id: 28fb511570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kurumi | 作成日時:2022年8月4日 0時