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会えてなくても大抵藤ヶ谷から連絡があってやり取りを交わす

それが普通にはなっていた

以前「そんなのガヤが可哀想だよ」と二階堂にこっぴどく叱られ、本人に謝ったら


"いいんだよ。俺は声が聞きたくて、そうしたいから自分から連絡してる。北山は北山のペースがあるんだし。気にしないで?"


そう笑ってくれた

だから自分のやり方は変えなかったけれど、

もしかしたらそれはただ甘えてるだけになっていたのだろうか…

藤ヶ谷の言葉は本音だと思う

でも人一倍寂しがり屋でもある彼奴が、

あまりの多忙に自分では時間を作れない中、良いと言ったとはいえ俺からの連絡を待っていない訳無かったのかもしれない

一言メールでも、一分だけ電話でも

労ってやるべきだったんだ…

疲れてるだろうからなんて、そんな事で連絡しなかったのは言い訳でしかない

だからきっと、愛想をつかされたのだ

俺は分かってる。藤ヶ谷も分かってくれてる

勝手に決めつけていた

あんなにもハッキリと避けられる理由なんて、それぐらいしか思い当たらないから





別れを告げられる夢は、ただの夢ではなく正夢なのかもしれない







「別れよう、北山」




目の前に居る其奴からなんの前触れも無く突然突き付けられた言葉

あんなに優しかった目は冷たくこっちを見据え、

あんなに甘かった自分の名前を呼ぶ声は怖い程に低く響いていた



…なんで?どうして?



そんな事を言い出した訳を、理由を教えて欲しい

縋りたいのに止めたいのに震えながらも伸ばした手を払い除けられ、

自分へと向けられてる目は変わらず冷たいまま

何も言葉を掛けられずにいれば絡んでいた視線を逸らし背を向けて藤ヶ谷は何処かに行ってしまう

追い掛けたいのに…足がその場に固まったかの様に身体が動かない




…ふじがや……っ!!






すぐには再び眠る事も出来ない中やっと夢の世界に入れても

見てしまうのは悪夢のようなそればかり

いっそ、眠らずに居られたらどれだけマシか…

そんな事を少しばかり本気で考えてしまう程、夜家でベッドに入るのが怖くなってきていた




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居待月→←立待月



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kurumi(プロフ) - aaaさん» 切なくなったりドキドキしたり…そんなお話が書けたらと思っていたので楽しんで頂けていたら何よりです(*´˘`*)私もFさんは月のイメージでした。でも此のKiさんにとっては太陽なんですよね。逆にFさんにとっては…。ありがとうございます!最後までよろしくお願いします (2022年10月5日 22時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
aaa(プロフ) - このお話、いったいどう着地するんだろうとドキドキしながら読ませて頂いてたのでちょっとホッとしてます。Fくんって太陽の太が入ってるのに月のイメージなんですよね。。月の満ち欠けで進むお話素敵ですね。続きが楽しみです。 (2022年10月5日 19時) (レス) @page27 id: 28fb511570 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kurumi | 作成日時:2022年8月4日 0時

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