【明治東亰恋伽】孤独少女は、沫泡に…【菱田春草】 (ページ6)

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46話ー５日ーページ6

『ん、ん………。』

私は、ゆっくりと目を開ける。
そこには、いつもの朝の景色が。

あれは、夢？
それとも……。

『……。あと、５日か……。』

私は、帰りたいのかな？
けれども、色々経験をして、わかった。
お母様と決着をつけたい。

けれども、一回帰ったら戻って来れないよね……。
……。彼と別れたくない。
初恋の人。けれども、帰ったら、これが最初で最後の恋となる。

それも、いいのかもしれない。

私は、恐る恐る、下に下りて行った。
そこには、鴎外さんの姿があった。

話しにくいな……。

鴎外「A、５日後に鹿鳴館でパーティがあるんだが、Aも行くかい?」

『……。私は、どっちでも大丈夫ですよ。』

鴎外「分かった。」

５日後って、私が帰る日。
ドレスを着ていきたいけれども、普通の私服でも一応何とかなるだろう。
現代に帰った時に、ドレスだと恥ずかしいもんね…。

あれ、帰る……。

私、帰るって決めつけている気がする。

でも、やっぱり此処にはいれない。
いや、いちゃダメなんだ。

気晴らしに、出掛けようかな。

「よう、Aじゃねぇか。」

『川上さん…?』

音二郎「どっか行くのか?」

『えっと、散歩程度に出歩いているだけですよ。』

音二郎「そうか。」

「かーわーかーみー!!!」

遠くから、鏡花さんの声が聴こえた。

鏡花「いっぱい待たせてるんだから、早くしてよねっ?!」

音二郎「あぁ！すまん、そろそろ行くな。」

『はい。』

私はん背を向けた川上さんに手を振って別れた。