検索窓
今日:13 hit、昨日:3 hit、合計:294,597 hit

脱退 24 ページ24







必死に車の窓ガラスを手で叩く



彼に気づいてほしい





私はここにいるのに





『中也…!!!気づいて!!!』





中也は相変わらずこちらなど気にも止めずに歩く



中也との距離、あと





80m





車のスピードと中也の歩いているスピードが交差して



すぐにこちらへやってくる





50m





彼はまだ気づかない





45m





何事もなく彼はこの車を視界に入れる





40m





この時彼と確かに目が合った



『中也!!!』





35m





そして彼の体が硬直する



今まで探していた妻がこんな近くにいるのだからそりゃあそうだ





30m





猛スピードで走り出し、車まで駆け寄る



手が赤くなり痛み始めるも、必死に中也の名を叫びガラスを叩き続ける





太宰さんはそんな私を見かねてか、突然スピードを上げた

その反動で体が椅子に押し付けられる



横浜の道路はいくら平日といえどがら空きという訳でもなく、昼間からこんなにスピードを出してしまえば事故にだってなりうる





『中也!!!!!!助けて!!!』





涙が出る



彼は必死に車に向かって走り続けてはいるが、到底人間が追いつくスピードではなくすぐに距離ができる





すぐ近くに、目線の先に



彼はいるのに





焦った顔で私を見つめて





届かないはずなのに、手を伸ばす





そんなに泣きそうな顔をしないで





私だって貴方の手を掴みたいのに





届かないとわかっているのに手を伸ばさないでよ



悲しいよ





『ちゅう…や…あ…ッ』





やっと会えたのに



太宰さんは私を離してはくれない





なんだ、見せられただけじゃないか



あまりの残酷さに涙が止まらない





「うふふ、ふふ…





中也に会えたねえ?」





『……ッも、やだ…ッ』





まるで、仕組まれたような。

逃走 25→←脱退 23



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (284 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
509人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , ヤンデレ , 太宰治   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

茉耶 - 最近あひゃこさんの夢小説ばっかり見ていつも泣いてます!毎回いい作品をありがとうございます!!また太宰さんの小説書いて欲しいです! (2019年8月11日 16時) (レス) id: 2037e6e45f (このIDを非表示/違反報告)
−こま−(プロフ) - 太宰さんんんんん!!かっこいいーー!!!好きですううう!作者さんも、太宰さんも愛してます← (2018年11月22日 20時) (レス) id: 43a4a6fc1b (このIDを非表示/違反報告)
長月冬麻(プロフ) - すっっっごい面白かったです!ヤンデレ文豪さん、ほわぁ…真逆中也さんがあんなことをしていたなんて、さいっっっこうのドンデン返しでしたっ!私あんまり死落ちのヤンデレさん好きではないんですけど、すっっっごい面白くて、好き以外に選択肢がなかったです。 (2018年7月28日 19時) (レス) id: 0ab6a974b3 (このIDを非表示/違反報告)
あひゃこ(プロフ) - かしさん» コメントありがとうございます! いつも死ぬ時は大体途切らせちゃってるのでわかりずらいんですよね(><)すみませんm(_ _)m 閲覧ありがとうございます! (2018年6月19日 21時) (レス) id: 782bc5610f (このIDを非表示/違反報告)
かし(プロフ) - 物凄く面白かったです!最後に夢主の回想が途切れた時はえ?あれ?タブレット壊れた?と思いましたが、そう言うことだったんですね! (2018年6月19日 17時) (レス) id: 5b825520a3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:私です x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2018年3月27日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。