ワガママお嬢様の中学校ライフ《黒バス》

お嬢様とそれぞれの気持ち ページ33

Aはどう思ってるのだろうか

ずぶ濡れで、顔を涙で濡らし、男子の制服を羽織って帰ってきたあの日、

初めて手を振り払われたあの日、

次の日緑間はブレザーを着ていなかったから多分あれは緑間のものなのだと思う

緑間と何かあったのだろうか

桃井はなにか知っているのだろうか

桃井と話したであろう日からは俺とも緑間とも今まで通り接してくれた

いや、違う点が1つあるか

俺たちの前で本当に笑わなくなった

あの花が咲くような笑顔で、笑わなくなった

俺がAを傷付けたことは分かっている

もうあんなキスはしない

Aが話してくれるまで待っていよう

そう思っていたのに


赤｢A｣

体育倉庫で1人で準備しているAの肩を掴んで

『ッ…んっ…』

乱暴に唇を重ねる

Aは抵抗しない

ただ、悲しそうな色をその瞳に宿すだけ

その目が俺は何より嫌なのに

なのに、

甘い花の蜜に誘われるようにいつの間にかAにキスしている

俺はAの虜だった






Aがあの日からおかしい

分かっている

自分のせいだ、と

後悔している

Aと赤司の事情は知らないがそれでもAが悩んでいることは分かっていたのに

力になりたかったのに

なのに

俺は自分の欲望のままに行動して…

そして今俺は何もできていない

Aと赤司が部活中2人していないことがよくある

前に虹村さんに2人を探しに行くように言われて探した時見てしまった

体育倉庫をあけると飛び込んできたのだ

2人が唇を重ねているところが

Aは赤司の肩越しに俺を見た

少しだけ驚いていたがAからは何もせず、声もあげず赤司の方から離れて俺の横を通り抜けていった

いい所だったのに

と呟いて

俺はギュッと拳を握りしめ、Aに何か言おうと口を開いたがそのままAを置いて体育倉庫を出ていった

Aの目に光がなくなっていくのを見ているのに

俺は自分が傷つくのが怖くて何も出来ない

また拒絶されるのが怖くて…

何を間違えた？

俺がAにキスしたことか？

俺が2人のキスを見たことか？

それとも

俺がAと再会したことか？







A、もう一度俺の前で笑ってくれ

俺の大好きなあの笑顔で









A、あの約束を覚えているのは俺だけか_____？









私は何がしたいんだろう_____。

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