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放課後
冷たい冬の風が吹く警戒区域を一人で歩き、私は本部に向かっていた。

1話を読んだ読者は皆気づいていると思うから公表しておく。

私は三輪が好きだ。

だが、告白はしない。今の三輪にとってそれは不要だ。そして、私にとっても不要だ。

私たちのすべきことはちゃんとある。私の一存で三輪の人生を侵してはいけないし、逆もまた然り。

そういうわけで今の日常に私はとても…そう、とても満足している。その証拠に、私は三輪と恋人同士になりたいと思ったことは一度もない。

そんなことを考えているうちに本部に着いた。



私情は置いておいて、防衛任務のシフトを確認するために、私は自室へ向かった。

「………手紙?差出人不明…ね…」

ポストから手紙を取り出し、注意深く開ける。

「………またか」

またこのイタズラ手紙か………というのも、ここ数日新聞紙の切り抜きで文を作るというベタな手法の手紙が送られて来るのだ。ボーダーの活動に反対する輩の可能性も考えられるので、一応城戸司令には報告済み。全隊員に注意喚起のメールもしてある。

「暇人がいるんだなぁ。」

私は手紙を丸め、ゴミ箱に放り込んだ。後で会議があるし、その時に報告すればいいや。



この判断が後に事件の引き金になる。



数時間後
会議に来てみたはいいものの…

先程から鬼怒田さんと根付さんVS忍田本部長のバチバチが収まる気配がない。

なんでも、そこにいる訓練生の三雲くんが、昼間学校に出現したトリオン兵をトリガーを使って倒したらしい。

最近のイレギュラー(ゲート)騒ぎが関わっているのだろうが、基地からかなり離れた三門第三中で(ゲート)が発生しているとなると、上もピリピリしている。

城戸司令の右側に佇む三輪は何を思っているのだろう。表情が読めない。

そんなことを考えているうちに会議が終わってしまった。

「城戸司令」

三雲くんと迅さんが部屋を出た後、三輪が控えめに言った。

「うちの隊に三雲を監視させてください。」

「監視…?尾行するってこと?あの子を?」

なんでまたそんな急に

「三雲は近界民(ネイバー)と接触している可能性があります」

「………ほう…」

「…あの子が?そうは見えないけど」

三輪…どうしたんだ…?

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作者名:まるちぇろ | 作成日時:2021年2月10日 0時

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