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「勝手なまねされたら困るんだよなぁ、お嬢ちゃん」





この声はさっきまで聞いていた声。
あの男の声だった。


今この男は私の頭に銃を押し付けている。
怖いはずなのに、脳を埋めるのは中也の事ばかりだ。





「なんで、こんなっ……中也が、中也が死んじゃう…!」





ぴくりとも動かない中也。


傷口を押さえる私の手は真っ赤に染まっていき、受け止めれなくなった血はゆっくりとカーペットまでも染めていった。







___あの日の、両親が死んだ時のように。









「探偵社のもんがマフィアに何してんだよ。敵だろ?」





それはごもっともだ。
でも、人の命に敵味方は関係ない。


彼はマフィアの人間である前に一人の人間なんだ。





「お願いッ……中也を、中也を助けてよ…!」






私じゃ何も出来ないの…?
このまま、大切な人を失うの…?
もうこれ以上、誰も死なせたくないよ







そんな私を嘲笑うかのように、男は引き金に指を当てた。





……死ねるなら、中也に殺されたかったのに





死ぬ直前の脳というのは冷静で、私は自分の首についているチョーカーに手を当て、そんな事を考えた。







目を瞑り中也を力強く抱きしめる。






お願い。どうか、中也だけでも助けてあげて。









「大人しく着いてこれは死なずにすんだのになぁ___じゃあな」







心臓が口から出るのではないかと思うほどに鳴った。
死にたくない。でも彼を死なせたくない。





それなら、私は自分を犠牲にする。









その時、トクンと私ではない誰かの心臓の音が聞こえた。





聞き間違いかもしれない。




それでも、私は”彼”を信じる事にした。









一発の銃声とともに、その場に”何か”が潰れる音が響いた。







ブシャッと水が吹き出るような音がして、私達に降り注がれる。









「…ったく。余計な心配させやがって」






聞こえた声は、聞きたかった声で。






腰に回る手は、私が求めていた温もりで…









「な、んで…」





色んな感情が混ざりすぎて頭が痛いよ。







「ちょっと球が掠っただけだ。それより!手前の方が重症じゃねぇ___うおっ」








「生きてて…よかっ、たッ…!中也っ……ちゅうやっ」





さらに力強く抱きしめる私に、中也はオロオロとしていた。


一応怪我人だけど、今だけは許して。




そんな私に中也も遠慮がちに手を回した。

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ユリア(プロフ) - 最初はいい感じだったのに、途中から険悪な雰囲気になっててどうなるかと思いましたが、お互いに仲直りできたみたいでよかったです!素晴らしい作品をありがとうございました。 (2023年1月16日 15時) (レス) @page37 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
天さん(プロフ) - ochanekosakuraさん» こちらこそ最後までありがとうございました!泣けるような作品をかけて良かったです(*´∀`)-3 (2017年8月26日 3時) (レス) id: e35c262d1b (このIDを非表示/違反報告)
ochanekosakura(プロフ) - 完結、おめでとうございます!! (2017年6月23日 22時) (レス) id: fc991a18e7 (このIDを非表示/違反報告)
ochanekosakura(プロフ) - 中也推しの私は、最後泣いちゃいましたァ笑天さん、素晴らしい作品を、ありがとうございます!! (2017年6月23日 22時) (レス) id: fc991a18e7 (このIDを非表示/違反報告)
天さん - ユウギさん» な、なんと嬉しいお言葉を(´;ω;`)ブワッありがとうございます!続編の方も頑張りますので!(*・ω・)*_ _)ペコリありがとうございました!! (2017年3月17日 0時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天さん | 作者ホームページ:http:/http://commu.nosv.org/p/tensan819  
作成日時:2017年1月30日 1時

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