浅沼家の日常10

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秀斗「うわぁ！おいしそう！！」

大智秀斗「「いただきます！」」

『よく噛んで食べてね』

小さなプレートに盛り付けられた色鮮やかなお子様ランチ

それを小さなフォークで一生懸命口いっぱいに食べる小さな双子

速水「はぁ…可愛い…」

頬張りすぎて口の周りを汚した秀斗の頬を拭きながら、東京のおじいちゃんは骨抜きにされていた

『速水サーン、冷めちゃいますよ』

同じく大智の口周りを拭くAは、慣れたように自分の頼んだパスタを食べながら苦笑する

すると、さっきまでの勢いは何処へやら。ほぼ同時に双子の手が止まった

心なしか表情もこわばっている

『ありゃ、見つけてしまったか。ブロッコリー』

速水「苦手なの？」

『味が苦手みたいで…。家では細かく刻んでスープに入れたり、コロッケに混ぜ込んでごまかしてるんです』

速水「そっか。…ねぇ大くん、秀くん、おじいちゃんがいいこと教えてあげるね」

大智「いいこと？」

秀斗「なにー？」

速水「このブロッコリーはね、あの藍染隊長が鏡花水月で魔法をかけたんだよ。だから絶対美味しく食べられるんだ」

大智秀斗「「ほんとう！？」」

速水「本当だよ。お母さんにも聞いてごらん」

秀斗「おかあさん！！」

『本当だよ〜。さっき藍染隊長が二人のために卍解したんだって。すごいねぇ！私も見たかったな〜、藍染隊長の卍解』

先程まで曇っていた双子の表情が一気に晴れる

そして意を決したかのように二人で顔を見合わせると



速水「よく食べられました。美味しかったでしょ？」

大智「おいしい！」

秀斗「おうちでもたべる！」

・

《現在》

『ブロッコリー安くなってたからいっぱい買っちゃった！！』

浅「ブロッコリーか…思い出すな」

『今となっては茹でただけでもパクパク食べちゃうんだもの。速水さんには感謝してもしきれないわ』

大智「ブロッコリー！？俺グラタンがいい！」

秀斗「いやいやここはスープだろ！」

『この動画、速水さんに送っちゃおっと』

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