†第39話† ページ42
愛音サイド
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「関係者控室」と書かれたボートがかかった部屋で、僕は名前を呼ばれるのを待った。
「如月様、お時間でございます。」
キッチリとしたスーツを着込んだ、恐らく黒曜家の使用人…らしき人が、ドアを開けて僕を呼んだ。
「あ…はい。」
やけに座り心地の良い椅子から立ち上がり、使用人の元へと向かう。
ああ、ついに来てしまった。
この時が。
だからこそ＿＿
歌うよ、僕は。
全力で。
ホールの裏へと連れて行かれ、舞台袖からそっと外の様子を伺う。
僕とは明らかに違う、「高級感」を漂わせた人達がたくさんいた。
その中でも、一番高そうで、一番「主役」と分かりやすい…
そんな席に、彼女＿＿Aも、いた。
隣には、婚約者とやらの男も連れて。
「次は、かの有名なアイドル、歌手を沢山選出させてきた、早乙女学園からのお客様です！今夜は一曲、歌って頂きましょう！＿如月愛音さんで、『君へ』！」
落ち着きのあるイントロが流れ出す。
すっと舞台へ出て、前を見据える。
その瞬間、ぱちんと彼女と視線が合った。
『が、ん、ば、っ、て』
と、そう口パクで必死に伝えて来た。
素直に嬉しかった。
だから、僕もふっと微笑んで、うなずいた。
これはね…この前の学園での課題。
それで作った…君への、歌だよ。
「＿＿ほらね、また笑ったよ
その声、その顔で
閉ざされた道
真っ白い雪
一生抜け出せないと思っていた＿＿」
ただひたすらに。
僕は歌った。
あの頃を…思い出して。
「君が扉をノックして
一輪の美しい花を咲かせ
飛び立つんだ
君のココロへ＿＿＿＿」
ごめんね、嫌だよ。
悲しいよ。
「ありがとう＿＿
君へ届けたい
ごめんね＿＿
君と歩みたい
だけど＿＿」
これだけは、言いたかった。
僕が、ずっとずっと、心の奥底へしまいこんで、言えなかった。
この言葉を、音に乗せて。
「
＿＿＿＿愛してる＿＿＿
」
最後、美しくビブラートをつけたあと、すっとマイクを下ろし、ペコリと頭を下げた。
会場は、拍手すらなく、ただただ、静まりかえっていた。
僕は、そんなこと気にせず、舞台袖へと戻って行った。
彼女の顔は＿＿見れなかった。
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藍堂 - とっっっても面白いね！気に入ったよ。やっぱりさ、歌の歌詞にそって書くってことは、長くなるのかな？ちなみに私、秘密 黒の誓いが好きなんだ。一回目聞いた時、泣いたよwあ、それと、再新頑張ってね！応援するよ♪ (2015年2月8日 1時) (
レス) id: 3978161a67 (このIDを非表示/違反報告)
椛トロ(プロフ) - 秤さん» ありがとうございます！ (2014年8月16日 11時) (レス) id: 9cee11950b (このIDを非表示/違反報告)
秤(プロフ) - 初めまして！秤宮です。名前が反映されてませんが…。いつも応援してます！ (2014年8月16日 11時) (レス) id: 5796cf60f5 (このIDを非表示/違反報告)
椛トロ(プロフ) - 遥さん» お返事遅れて申し訳ありません！遥さん、よろしくお願い致します。 (2014年7月30日 9時) (レス) id: 9cee11950b (このIDを非表示/違反報告)
遥 - 初めまして**長男の遥です〜*いつも妹がお世話になてます*!! (2014年7月20日 20時) (レス) id: d80e756d45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椛トロ | 作成日時：2014年6月7日 7時
