待ったなしのぶっつけ本番/1 ページ4
◇
コクハク 予行練習 「本気と思った？」 なんてね
かわいい？ ドキッとした？ そんな顔で見ないでよ
夕暮れの生徒会室。
Aは弓道部の活動に、俺は、今日の生徒会の仕事のためにバスケ部を休んで仕事。
天祥院先輩に「部活、本当に行かなくていいのかい？」と心配されたが、今部活をやっていられる暇はない。
少しでも落ち着かないと。
疲れていたら、何か口を滑らせてしまいそうだ。
俺も、アイドルをやっているぶん、普通よりも顔は整っている───と思っている。
だからなのか、小学校、中学校、と何度も女子から告白されたことがある。
もちろん、俺はA一筋だったものだから、丁重にお断りした。
「わ、わたし、衣更くんのことがっ、好きなんです！」
「…あー………ごめんな？ 俺、好きな人がいるんだ」
今まで"される側"だったから、いざ"する側"となると緊張する。
───俺に告白してくれた女子たちはみんな、こんな気持ちだったんだな。
気を紛らわせるために聴き始めた、『告白予行練習』って曲。
主人公の子は、結局、片想いをしていた相手と晴れて付き合ったようだ。
果たして俺は、この子みたいに成功するだろうか。
私のわがままを 明日だけ聞いてくれる？
少し大人になった この心のわがままを
本気になってよ 練習なんて
嘘つき心を見破って
「───はぁぁあぁあ…」
ちらりと時計を見ると、Aと約束していた時間の5分前を指していた。
腹を括るんだ、衣更真緒。
どくどくと早鐘を打つ心臓に、沈まれって叶いもしない念をかけて、急いで荷物を片付ける。
伝えなきゃ、始まらないんだよ。一番わかってるんだよ。
それでもどうしてかなあ、こんなに緊張してしまうのは。
───それはきっと、今の心地いい関係を、どこか崩したくないと思ってる俺が、いるから。
急いで昇降口に向かった。
目と鼻の先には、さらさらとした明るい茶が風にそよいで揺れていた。
◇
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まいとりー。(プロフ) - 夏目かこさん» 夏目かこさん、コメントありがとうございます。そうです、大正解です！！ (2022年9月14日 7時) (
レス) id: a716690bac (このIDを非表示/違反報告)
夏目かこ - ハニワですね、告白予行練習 (2022年9月13日 23時) (レス) @page3 id: 26710bd71c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まいとりー。 | 作成日時：2021年11月20日 23時
