迷子な私は知っている

帰宅 ページ12

KZの集合が終わったあと、私は家に帰った。




……最後の集合、ちゃんと笑えていたかな。


不安になる気持ちをなんとか抑えて、私は自分の部屋に戻る。



でもね、部屋に入って驚いたことがあるの。

それはね、隣の奈子の部屋が全く片付いてないこと！




「これ、ともくんからもらったものだぁ！」


「これは、今年の誕生日のプレゼントお！」




なんて、言いながら床に物を広げていく奈子。



小学2年生には、引っ越しの準備って難しいのかな。

でも、私には散らかしてるように見えるんだよなぁ。




まぁ、私も、自分の片付けはじめないと。

そう思い、片付けを始める。



…残るは、机の上のものだけか。
机の上にはKZのみんなで撮った写真や、事件ノート、フランス語のテキスト、学校の教科書、秀明のテキストがあるの。


机の上のものは、全て必要なものだけだったから、随時片付けていくことに。




そして、なんだかんだで片付けは終わり、部屋に残っているのは学校のものや、本当に必要なものだけ。




制服とか、教科書とか、それだけが残る殺風景な部屋。


床には、大量の段ボール。



とりあえず、自分の部屋の片付けは終わったし、私のやるべきことは勉強以外はなくなった。



せっかくだし、秀明の予習、復習でもするかと、テキストに手をつけたは良いものの、もうすぐ塾も辞めるし、少しくらいサボっても良いかなぁ、なんて思って。





そういえば、前黒木くんにもらったフランス語のテキスト、あの内容を復習しようと思い、テキストを開いた。


私は自分自身が思っていたよりもフランス語を覚えていて、集中して勉強することができたんだよ。





そのあと、夕飯にお風呂を済ませ、私はベットと段ボールと机と椅子だけの殺風景な部屋の中で眠りについた。

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