誘拐：42 ページ49
でもその時はまだそこまで考え至っていなかった。
疑念が確信に変わったのは、今夜、空を見上げた時。ついさっきだ。
分厚い雲の合間に一瞬だけ姿を現した、白く眩く光る満月。
本当はそこにいるのに隠れて見えない――――
瞬く間に現れては消える、太陽の強い光の反射によって姿を見せる、偽りの星。
それは、まるで―――――――誠凛高校の影にそっくりだった。
「……なるほど。そういうことでしたか。
貴方の観察力と思考力には驚きです。」
黒子は大して驚いてもいないような顔でそういうと、音も立てずにするりと立ち上がるとAの顔を覗き込んだ。
「貴方がここに戻ってきた理由ば、それを確かめるためだけではないですよね。色々と彼女に関して謎は残っているはずですし。……いえ、それももう殆ど見抜いているんですか？」
「……さぁな」
「あぁ、それとも、眠ったままの彼女を心配して、ですか？」
「……さぁな」
黒子は笑いを含んだ声で尋ねてくる。
嫌なことを聞いてくる奴だ。本当に気に食わない。
「まぁ、彼女もただ寝ているだけではないんですよ。貴方も知ってのとおり、今にも倒れそうな状態でしたから、むしろぐっすり眠れて良かったのかも知れませんが。
……だから、謎解きは病院で、でどうですか？貴方も怪我をしているようですし」
「それについては異論はねぇ。
……ついた途端に逃げたりしないだろうな？」
「しませんよ。僕の知っている限りのことは話します。
……ただ、誤解はしないでくださいね？
僕は何も親切心で行動しているわけではありませんから。
あくまでも、Aさんの為です。
僕は今でも貴方を恨んでいますし、こうして会話をしていることも不愉快なくらい大嫌いだということを、決してお忘れないように」
「それはこっちも同じだよ。俺もお前が大嫌いだ。」
「えぇ、知ってます。
……では、話もまとまったところで、行きましょうか。
病院へ。……いえ、
【花宮真が誘拐されました。２】へ……」
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Mae(プロフ) - かぼちゃポンタさん» コメントありがとうございます!!メインの２人以外にも結構時間を割いているので、そんな風に黒子の活躍(？)を見ていただけて嬉しいです笑。レス遅くなってすみませんでした！ (2016年8月30日 16時) (
レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
かぼちゃポンタ(プロフ) - 黒子の締めで笑いました、はい！2見てきます！！ (2016年7月26日 14時) (レス) id: b325383cfb (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - スピカ@しののんとmarvelousへの旅さん» 伏線ともいえない伏線もどきは一応張っていたのですが、やっぱりわかりにくかったですよね……すいません！黒子のほかにも謎はたくさん残してあるので、また推理しながら楽しんでいただけたなら幸いです。コメントありがとうございます！！ (2016年3月30日 20時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
スピカ@しののんとmarvelousへの旅(プロフ) - まさかの、手伝いが、黒子だったとは、、、 驚きのあまり、十秒間口にポカーンてなってました笑 今まで分からなかったところがわかって、すっきりはしたけど、続きを読むのが楽しみです。 本当黒子とか思いませんでした (2016年3月30日 18時) (レス) id: 5f4212bb8d (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - 狐サマさん» 長いこと引っ張ってきた伏線がやっと表に出たので、私自身もホッとしてます笑。花宮はいい意味で期待を裏切ってくれる存在だと思ってるので、読者様に対してもそう在れたのなら幸いです。コメントありがとうございます！ (2016年1月28日 22時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mae | 作成日時：2015年5月12日 22時
