誘拐:39 ページ46
原「ねーぇ花宮ぁ……ガチで戻るワケぇ?
なんかさぁ、ココ気味悪ぃしさぁ……本気?
本気と書いてマジの本気?」
「あぁ、その本気だよ」
瀬「俺はお勧めしないな。傷が酷い上に足もくじいてる花宮が動ける量にはいくらなんでも限界があるよ。
俺達4人がいるとしても、いざ逃げるとか動くとかなったらどうにもできないでしょ」
瀬戸達4人と合流してから数分後、俺達は建物の表側に回り、鍵も掛かっていない建物に侵入し薄暗い廊下を進み、階段をゆっくりと登っていた。
建物は外から見ると思ったよりボロく、ヒビや蔦が張っていた。
玄関の上部に並べられていた文字は掠れていて、もうよく見えない。
俺がいたあの部屋だけがきちんと管理され掃除が行き届いていたのだとこの時知った。
「それには及ばねぇよ。アイツはもう意識を失ってる。ざっくり5時間は起きないぜ」
山「なんだよ、なんか知ってんのかよ」
「バァーカ。それを今から確かめに行くんだろーが。」
原「だからぁ、確かめにって何を確かめに行くつもり?」
「……。それも含めて、だ。
俺が今から何を見に行くのかも、行けばわかる」
原「はぁー?もおぉ、全っ然イミフなんだけど!」
原が全くわからないというように肩をすくめてみせる。
足を止めて帰りたーいと子どものように主張し始めるが、「じゃあお前だけ先に帰れば?」と言うとぶすっとしたまま着いてきた。
何も教えてもらえないまま行かなければならないのが不服らしい。
まぁ、めんどくさいから放置で。
瀬「花宮、そこまで言うならもう俺は止めないけど。
アクション展開になっても、大丈夫って言い切れる確信があるんだよね?」
「……安心しろ。そういう展開には間違ってもならねぇよ。」
瀬「……ふぅん。そう。」
瀬戸はそれだけ言うと、前に向き直って黙った。
古「俺はどこまでも着いていく、リーダー!」
「お前はいい加減鬱陶しいからそのキャラやめろ」
肩を貸し隣を歩く古橋は俄然乗り気である。
まぁ、コイツが俺の行動や言葉に反対するわけはないんだけどな。
そのまま進んで、俺達は一番奥の部屋、……の手前の、少しだけ開いたドアの前まで辿り着いた。
あの部屋から見た感覚、外から見た部屋の位置からして、ここで間違いないはずだ。
俺はこの部屋を窓から出た。Aはまだ意識を失っているはずである。
ドアが少し開いているということは、つまりそういうことだ。
俺達は迎えられている。
365人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mae(プロフ) - かぼちゃポンタさん» コメントありがとうございます!!メインの2人以外にも結構時間を割いているので、そんな風に黒子の活躍(?)を見ていただけて嬉しいです笑。レス遅くなってすみませんでした! (2016年8月30日 16時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
かぼちゃポンタ(プロフ) - 黒子の締めで笑いました、はい!2見てきます!! (2016年7月26日 14時) (レス) id: b325383cfb (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - スピカ@しののんとmarvelousへの旅さん» 伏線ともいえない伏線もどきは一応張っていたのですが、やっぱりわかりにくかったですよね……すいません!黒子のほかにも謎はたくさん残してあるので、また推理しながら楽しんでいただけたなら幸いです。コメントありがとうございます!! (2016年3月30日 20時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
スピカ@しののんとmarvelousへの旅(プロフ) - まさかの、手伝いが、黒子だったとは、、、 驚きのあまり、十秒間口にポカーンてなってました笑 今まで分からなかったところがわかって、すっきりはしたけど、続きを読むのが楽しみです。 本当黒子とか思いませんでした (2016年3月30日 18時) (レス) id: 5f4212bb8d (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - 狐サマさん» 長いこと引っ張ってきた伏線がやっと表に出たので、私自身もホッとしてます笑。花宮はいい意味で期待を裏切ってくれる存在だと思ってるので、読者様に対してもそう在れたのなら幸いです。コメントありがとうございます! (2016年1月28日 22時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Mae | 作成日時:2015年5月12日 22時