追う者[5] ページ26
瀬「そんで、どーなったわけ?」
古「……ん?何がだ」
デスクトップに目を向けたまま、瀬戸が呆れたように声を掛ける。対する古橋も、背中合わせの瀬戸を振り向くことはしない。
瀬「だから、街でAちゃんらしき女のコ見かけて、どーなったのって。
見失って、終わり?ていうかそもそもどこで会ったかもわからないんだけど」
古「待って、そんなに次々喋らないでくれ。
俺は頭の回転が遅いんだ」
瀬「それは知ってるけど」
古「えーと、確か、見たのは2週間前の日曜日だ。
駅前のデカい交差点あるだろう、あそこを花宮と一緒に……いや一緒ではないな。30mくらい後ろを歩いていたんだが、」
瀬「それストーキングしてるだけじゃん。
まぁ興味ないから続けて」
古「あぁ、それで、ちょうど横断歩道を渡りきるところで、近くで物が落ちる音がしたから振り向いたんだ。
女の子が、シェイクの容器を落としたみたいでさ。中身もどんどん零れてるのに拾おうともしない。ずっとある一点を見ながら動かないんだ。
その視線の先にいたのが花宮だった。」
瀬「……なるほどね。なんで花宮を見てるってわかったの」
古「それは勘。
ほらこう、ビビッときたっていうだろう。
ライバル登場、みたいな」
瀬「なんで古橋とAちゃんがライバルなんだよ」
古「それだけだったらすぐ忘れちゃうんだろうけど、そのあとその子、すごく笑ったんだ。」
瀬「は?」
瀬戸が、訳が分からないといった顔をする。
瀬「古橋、日本語おかしいよ」
古「いや、悪いが他になんと表現したらいいかわからないんだ。
物凄く綺麗で、それでいて不気味で、心から笑ってるような、貼り付けた笑顔のような。
それが印象的だったから、すぐ思い出せた、っていう話なんだが……何か参考になったか?」
瀬戸が「んー」と悩むような素振りをみせる。
瀬「今のところは、あんまり。
……あーでも、1つだけ教えて」
古「なんだ?」
瀬「花宮はAちゃんに気付いてる感じ、した?」
古「いや……多分、気付いてないと思うが。」
瀬「……そう。わかった、」
瀬戸が言い切る直前。
「たっだいまー!」
紫髪の不良が部屋に飛び込んできた。あまりに勢いよく扉を開けたため、瀬戸にぶつかり派手な音を立てる。
瀬「ってぇ……」
原「めんごめんごー」
古「おかえり。何か見つかったのか?」
原と山崎は顔を見合わせると、ニヤリと笑った。
山「収穫はアリって感じか?」
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Mae(プロフ) - かぼちゃポンタさん» コメントありがとうございます!!メインの2人以外にも結構時間を割いているので、そんな風に黒子の活躍(?)を見ていただけて嬉しいです笑。レス遅くなってすみませんでした! (2016年8月30日 16時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
かぼちゃポンタ(プロフ) - 黒子の締めで笑いました、はい!2見てきます!! (2016年7月26日 14時) (レス) id: b325383cfb (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - スピカ@しののんとmarvelousへの旅さん» 伏線ともいえない伏線もどきは一応張っていたのですが、やっぱりわかりにくかったですよね……すいません!黒子のほかにも謎はたくさん残してあるので、また推理しながら楽しんでいただけたなら幸いです。コメントありがとうございます!! (2016年3月30日 20時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
スピカ@しののんとmarvelousへの旅(プロフ) - まさかの、手伝いが、黒子だったとは、、、 驚きのあまり、十秒間口にポカーンてなってました笑 今まで分からなかったところがわかって、すっきりはしたけど、続きを読むのが楽しみです。 本当黒子とか思いませんでした (2016年3月30日 18時) (レス) id: 5f4212bb8d (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - 狐サマさん» 長いこと引っ張ってきた伏線がやっと表に出たので、私自身もホッとしてます笑。花宮はいい意味で期待を裏切ってくれる存在だと思ってるので、読者様に対してもそう在れたのなら幸いです。コメントありがとうございます! (2016年1月28日 22時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mae | 作成日時:2015年5月12日 22時