誘拐:3 ページ3
『あー、ほんっとこの部屋埃っぽいわね。
だからココ、嫌いなのよね。』
女……もといAは独り言のようにそう言うと、雑に窓を開けて部屋を出ていこうとした。
「おい、待て!
質問に答えろ。コイツを外せ!」
ジャラジャラと手錠を鳴らしてみせる。
Aはそんな俺を一瞥すると、呆れたような顔でこう言った。
『……あんた、まだ分かってないの?』
「……あ?」
Aの体が振り向いた、次の瞬間。
ドゴォッッ
「……っ!!?」
ソファに座っている俺の顔のすぐ横に、ありえない速さで膝蹴りが繰り出された。
『ッフ……下着が見えちゃうと思ってドキドキした?
残念でしたぁー、あたしスカートの下にハーパン履いてんのよねー。』
クスクスと笑ってスカートを上げて見せるA。
「……誰がそんなこと、オマエみてぇな色気ない女に……」
『口答えしないで』
俺の言葉に被せ、先程より一層低く冷たい声で言う。
『……ふん。
いいわ、教えてあげる。
あんたをここに連れてきたのはあたし。
鎖を着けて閉じ込めたのもあたし。
そしてこの誘拐の目的は、』
、
、
『―――――――花宮真を殺すことよ』
ヒュオッ
何かが目の前を掠めた。
いや、掠めたんじゃねぇ。ソイツはまだ俺の「目」の「前」にある。
Aはどこから出したのかアイスピックを文字通り俺の眼球に突きつけている。
それも、なんの躊躇いもなく。
コイツは、人を殺せる人間だ。
直感的にそう思った。
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Mae(プロフ) - かぼちゃポンタさん» コメントありがとうございます!!メインの2人以外にも結構時間を割いているので、そんな風に黒子の活躍(?)を見ていただけて嬉しいです笑。レス遅くなってすみませんでした! (2016年8月30日 16時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
かぼちゃポンタ(プロフ) - 黒子の締めで笑いました、はい!2見てきます!! (2016年7月26日 14時) (レス) id: b325383cfb (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - スピカ@しののんとmarvelousへの旅さん» 伏線ともいえない伏線もどきは一応張っていたのですが、やっぱりわかりにくかったですよね……すいません!黒子のほかにも謎はたくさん残してあるので、また推理しながら楽しんでいただけたなら幸いです。コメントありがとうございます!! (2016年3月30日 20時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
スピカ@しののんとmarvelousへの旅(プロフ) - まさかの、手伝いが、黒子だったとは、、、 驚きのあまり、十秒間口にポカーンてなってました笑 今まで分からなかったところがわかって、すっきりはしたけど、続きを読むのが楽しみです。 本当黒子とか思いませんでした (2016年3月30日 18時) (レス) id: 5f4212bb8d (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - 狐サマさん» 長いこと引っ張ってきた伏線がやっと表に出たので、私自身もホッとしてます笑。花宮はいい意味で期待を裏切ってくれる存在だと思ってるので、読者様に対してもそう在れたのなら幸いです。コメントありがとうございます! (2016年1月28日 22時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mae | 作成日時:2015年5月12日 22時